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 日本で16日から始まるマイナス金利政策を、3年半ほど前から経験している北欧のデンマーク。住宅を買い求める人が急増し、借りると「利息」をもらえる住宅ローンも登場して、政府は融資規制に乗り出した。一方で、大企業などの銀行預金には手数料がかかる。

 「クリスマスプレゼントは、マイナス金利」

 住宅ローン専門会社のノルディア・クレジットは昨年12月23日、そんな発表を出した。半年ごとに見直す変動型の基準金利がマイナスになり、2016年上半期は6100人以上が毎月117クローネ(約2千円)の利息を受け取ることになるという。ただ、銀行に払う手数料を加えた実際の金利は0%を少し上回る。このローンはノルディアが債券を発行して年金基金など投資家から調達したお金が元手。短期金利だけでなく、調達金利もマイナスに落ち込んだことで、「歴史的な低さ」が実現した。

 デンマークでは、住宅向けの融資は管理コストなどを抑えて金利も低めの住宅ローン専門会社のものが伸びている。大手行の一部も傘下に専門会社を置く。ノルディア以外の専門会社も昨年以降、0%に近い金利でも住宅ローンを提供する。