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参院選「今井絵理子擁立」で露呈 官邸と自民党本部の対立再び激化

東スポWeb 2月7日(日)10時4分配信

 自民党は今夏の参院選に女性ダンスボーカルグループ「SPEED」のメンバーで歌手の今井絵理子(32)を比例代表の目玉候補として、擁立する方針を固めた。

 沖縄出身の今井は1996年にSPEEDのメンバーとしてデビューし、「White Love」などのヒット曲で人気を集めた。

 現在はグループとしての活動は休止中。今井の所属事務所は、自民党の出馬要請について「今のところそのような話は聞いていない」とコメントした。

 しかし、自民党は今井の高い知名度に加え、聴覚障害のある長男を育てるシングルマザーでもあることから、安倍晋三首相(61)が掲げる「一億総活躍社会」実現を目指す象徴的な候補者になり得ると判断。来月13日に開催の定期党大会では、今井が「君が代」を独唱するプランが浮上しているという。

 ただ、谷垣禎一幹事長(70)は5日の記者会見で、今井について「『SPEEDって何』なんてことを言ってしまい、みんなから『時代遅れ』『娘に聞け』など罵詈讒謗(ばりざんぼう)を浴びせられた」と不満そうな表情で語れば、今井の擁立については「私は存じない」と最後まで認めることはなかった。

 永田町関係者は「擁立は、官邸主導で進められた。党を守る責任者である谷垣さんは、官邸が一方的に今井擁立の情報をマスコミに流し、腹を立てている。官邸と党本部の対立が浮き彫りになった格好です」と話した。

 官邸と党本部の対立といえば昨年11月、自民党は大阪府知事選と大阪市長選のダブル選で橋下徹氏(46)率いる大阪維新の会に敗れた。その直後、安倍首相が橋下氏と大阪府知事の松井一郎氏(52)と長時間にわたり会談。谷垣氏は「総理が3時間半会うのは頭を抱えてしまう状況だ」と不満を漏らしていたばかり。

 今井の参院選出馬で再び露見した「政高党低」。今後も目玉候補は控えており、主導権を握りたい官邸と党本部の争いは激化しそうだ。

最終更新:2月7日(日)10時4分

東スポWeb