スペイン、グラナダ大学とデル・スール大学センターの研究者らは、ジャガイモやトマトなどの野菜をエキストラバージンオリーブオイル(EVOO)で炒めると、茹でるよりも野菜の抗酸化能力が向上すると発表した。
研究では、スペインの地中海食で一般的に食べられているジャガイモ、トマト、ナス、カボチャを、それぞれ120グラムずつ「EVOOで炒める」「水で茹でる」「水とオリーブオイル以外の油を混ぜたもので茹でる」という3つの異なる方法で調理。
その後、水分や脂質の含有量、「ルチン」や「クロロゲン酸」など野菜の抗酸化能力に関わる「植物性フェノール化合物」含有量を分析した。
その結果、EVOOで炒めた野菜のみフェノール化合物の含有量が増加した。他の2つの調理法では変化はなく、茹でられた野菜のフェノール化合物の減少や、抗酸化能力が低下しているわけではないという。
この理由について、研究者のひとりであるピラール・ラミレス-アナヤ氏は、「加熱されたEVOOから、これらの野菜には含まれていない脂溶性(油に溶ける性質)のフェノール化合物が出て、野菜に移った可能性がある」としている。
ただし、炒めた野菜は当然ながら脂質量も増加しており、カロリーは高くなっていた。
発表は、食品分野の学術誌「Food Chemistry」2015年12月号(Volume 188)に掲載された。
(Aging Style)
参考文献
Phenols and the antioxidant capacity of Mediterranean vegetables prepared with extra virgin olive oil using different domestic cooking techniques.
DOI: 10.1016/j.foodchem.2015.04.124. PMID: 26041214