福山通運(広島県福山市)は6日までに、同社の執行役員(5日付で解任)で子会社の取締役だった50代の男性が、下請け業者に外注費を過大に請求させる手口で約6億円を着服していたと発表した。男性の刑事告訴を検討している。
福山通運によると、男性は子会社の物流会社「ジェイロジスティクス」(千葉県市川市)の取締役だった2009年5月~15年3月の毎月、運送業務を委託していた千葉県内の業者に運送費を水増しして請求させ、一部を自分が受け取っていた。一部は下請け業者が着服したという。男性は社内調査に「遊興費に使った」などと説明している。
男性は15年6月に子会社の取締役を退任。その後、広島国税局の税務調査で今年1月下旬に着服が発覚した。福山通運は今月5日の取締役会で男性を執行役員から解任。今後、弁護士や会計士による内部調査組織を設置してさらに調査する。業績への影響を調べるとして、9日に予定していた決算発表は延期した。〔共同〕
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