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 北朝鮮の事実上の長距離弾道ミサイル発射を受け、日本政府は7日、緊急情報ネットワークシステム(エムネット)で情報を公表した。主な内容は次の通り。

 2月7日(日)、北朝鮮西岸から南に向かって計1発の飛翔(ひしょう)体が午前9時31分ごろ、発射されたことを確認した。飛翔体は五つに分離し、一つは同9時37分ごろ、朝鮮半島の西約150キロメートルの黄海上(予告落下区域内)に落下したものと推定される。もう二つは、同9時39分ごろ、朝鮮半島の南西約250キロメートルの東シナ海上(予告落下区域内)に落下したものと推定される。

 もう一つは、同9時41分ごろ、沖縄県上空を通過し、同9時45分ごろ、本邦の南約2千キロメートルの太平洋上(予告落下区域外)に落下したものと推定される。もう一つは、同9時39分ごろ、沖縄県上空を通過し、南方向へ飛翔を継続した。破壊措置の実施はなし。

■米国防総省「ミサイル、宇宙空間に」

 米国防総省当局者は6日夜(日本時間7日午前)、米国の戦略指令システムが北朝鮮の弾道ミサイル発射を捕捉し、現地時間7日午前の発射後、ミサイル本体が宇宙空間に達したようだと明らかにした。

 この当局者によれば、ミサイルは発射後、北朝鮮の事前通告と同様、南へ向かい、黄海上空を越えていったという。米国や同盟国に対するこのミサイル発射に伴う危険は、現時点ではないという。米軍は、日本や韓国の防衛当局者と情報を共有しつつ、現在も発射されたミサイルの状況を捕捉している。(ワシントン=奥寺淳)

■韓国国防省「270余に分離」

 韓国国防省によれば、北朝鮮が発射した長距離弾道ミサイルは1段目が分離後に空中で爆発し、270余に分離して落下したとみられる。

■「衛星」宇宙空間の軌道に

 韓国国防省は、北朝鮮が「衛星」と自称する物体が宇宙空間の軌道に乗ったと判断した。実際に機能しているかどうかは、「衛星」が発信する電波を傍受する必要があるため、確認に時間がかかるとしている。(ソウル)