話題の「0円SIM」は本当におトクなのか計算してみた
■連載/小口 覺のスマートフォンハックス
去年、サブのスマホと長女のスマホ用に月額299円からの「FREETEL SIM」を購入した話を書いた。データSIMの場合、月100MBに満たなければ、299円で済み、1GBまで499円、3GBまで900円と大手キャリアプランに比較すればかなりリーズナブルなプランだ。
しかし、下には下が出てくるのが価格競争の恐ろしいところ。500MBに満たなければ0円のプランSo-net「0 SIM」が発表された。今使っている「FREETEL SIM」から乗り替えたほうが得なのか、シミュレーションした結果を共有しようと思う。
「0 SIM」の使用量と料金の関係をグラフで表してみた。100MBを超えると、100MBにつき100円ずつ加算され、2GBで1600円に達した後は5GBまで料金はそのまま維持される。
データ通信量が5GBを超えると200kbpsの速度制限がかかり、それ以上高速通信を使用する場合はチャージ(100MB500円、500MB2100円、1GB3800円)で対応する。5GB超えのコストが、それ以前より割高に感じるが、格安SIMユーザーはあまり容量を使わない前提で話を進めよう。
ちなみに、SMS機能付きは150円、音声通話機能付きは700円がそれぞれ月額料金に加算される。
「FREETEL SIM 使った分だけ安心プラン」を水色のラインで、「楽天モバイル 3.1GBプラン」を緑色のラインで加えてみた(大まかなイメージです)。
「0 SIM」と「FREETEL SIM」が最初に交わるのは、900MBの付近(「0 SIM」500円、「FREETEL SIM」499円)。ここから1GB付近までは、499円で固定の「FREETEL SIM」が安くなる。さらに「FREETEL SIM」は、3GBまで900円、5GBまで1520円固定となっている。
「0 SIM」が安くなる使用量、「FREETEL SIM」が安くなる使用料を色で分けてみた(これも大まかなイメージです)。ざっくり、毎月の使用量が1GB前後に満たなければ「0 SIM」が、それを超える場合「FREETEL SIM」のほうが経済的だと判断できるだろう。
●「FREETEL SIM」から乗り替えるべき?
最低料金が299円の「FREETEL SIM」から「0 SIM」に乗り替えるべきか。仮に月に100MB未満で収まるとすると、その料金差は月額299円(1年で3588円)。100MB超え〜500MB未満で収まるとすると、その料金差は月額499円(1年で5980円)となる。この使用量で毎月収まるのであれば、3000円の初期費用を支払っても「0 SIM」に乗り替えた方が長期的には得になる。ただし、2〜3GB程度の月が多くなると、この差は小さくなり、割高になる可能性もある。
結論としてはサブのスマホ回線としてデータ通信量をコントロールできるのであれば、「0 SIM」に乗り替える価値はある。ただし、データSIMとSMS付きSIMは3か月連続でデータ通信の利用がない場合、自動的に解約される。0円だからと使わないで放置するのには向いていない。
Androidでは通信量の上限を設定する機能があるので、0円のまま使い続けることも可能だろう。とはいえ、5GBまで使っても1600円は、大手キャリアのデータ使用量5000円に比べるとかなり安く、他のMVNOに比較しても割高ではない。低料金で維持できる回線を探している人には検討する価値のあるプランだ。
文/小口 覺(おぐち さとる)
IT、SNS、スマートフォン、ネット、家電、ガジェットからサブカル、ビジネスまでゆる〜くカバーしているライター。