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 北朝鮮の事実上のミサイル発射を受け、安倍晋三首相は7日午前、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開くなど、情報収集や対応協議などに当たった。

 安倍首相は同日午前9時43分に官邸に入り、「北朝鮮に対し繰り返し自制を求めてきたにもかかわらず、ミサイル発射を強行したことは、断じて容認できない。核実験に引き続き、今回のミサイル発射は、明白な国連決議違反だ。国際社会と連携して、毅然(きぜん)として対応する。国民の安全と安心を確保することに万全を期す」と記者団に語った。

 菅義偉官房長官は午前9時52分から記者会見し、「現時点では我が国の領域には落下していないと判断している。核実験に続いての今回の発射は、我が国を含む地域及び国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な行為で、国連安保理決議等にも違反する。我が国は北朝鮮に対し厳重に抗議し、強く非難する」と語った。

 首相は午前9時33分、情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うこと▽航空機、船舶等の安全確認を徹底すること▽不測の事態に備え、万全の態勢をとること、の3点の首相指示を出した。

 さらに同9時45分、ミサイルが通過したと判断される地域に重点を置き、落下物等による被害がないか、速やかに確認すること▽北朝鮮の今後の動向を含め、引き続き、情報収集・分析を徹底すること▽米国や韓国等、関係諸国と連携し、引き続き、緊張感を持って、必要な対応を適時適切に行うこと、の3点の首相指示を追加した。

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 岸田文雄外相は7日午前、同10時ごろに北京の大使館を通じて今回の事実上のミサイル発射について北朝鮮に抗議したことを明らかにした。外務省で記者団に語った。岸田氏は、関係各国との電話協議を行う方針も明らかにした。

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 中谷元・防衛相は7日午前、防衛省で幹部会議を開き、北朝鮮の事実上のミサイル発射について「1月の核実験に続き、我が国を含む地域、国際社会の平和と安全を損なう安全保障上の重大な行為で、国連の安保理決議に違反する。我が国は北朝鮮に対して強く抗議する」と語った。中谷氏は、ミサイル発射に伴う日本国内の被害について、「現在のところは確認していない。情報収集を続けている」と記者団に語った。

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 菅義偉官房長官は7日午前11時すぎに記者会見し、北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルを発射したことについて、安倍晋三首相が日本の独自制裁を速やかに決定できるよう準備することを関係閣僚に指示したことを明らかにした。

 会見に先立ち、首相官邸で首相や関係閣僚による国家安全保障会議(NSC)を開き、首相が指示したという。日本政府は北朝鮮による先月6日の核実験を受け、独自制裁の検討を進めていた。

 また菅氏は、北朝鮮に対し、北京の日本大使館を通じて、今回のミサイル発射を抗議したことも表明した。