透けて見える、財務省のホンネ
財務省の嘘が、また発覚した。消費増税、そして軽減税率導入による国民一人あたりの負担額を推計する際に、「財務省にとって都合のいい統計」を使っていたことが明らかになったのだ。
国会答弁において、政府は「消費増税による一人あたりの負担増は年間1万4000円。軽減税率による負担軽減額は一人あたり4800円である」と主張してきた。実際、1月18日の参院予算委員会では、安倍首相も「4800円」とはっきりと口にしている。
だが、この4800円に日本の人口をかけると、税収の減収分は約6000億円。政府が主張してきた「減収分1兆円」とは大きく差が出ることになる。この点を野党から指摘された。
すると、1月19日の参院予算委員会。麻生太郎財務相が「消費増税による負担増は2万7000円、軽減税率による負担軽減額は8000円」と、大幅に修正した。
財務省によると、数字が低く出た理由は、総務省の「家計調査統計」を元に推計していたからだという。家計調査は実際よりも消費が少なく算出される。だから負担額も軽減額も少なく算出された。財務省の消費税収データを元にした修正後の数字こそ正しい推計である、というのが彼らの言い分だ。
透けて見えるのは、「消費増税はしたい。しかし減収になる軽減税率はしたくない」という財務省の本音。だからこそ彼らは、消費増税については負担が少なくなるように、軽減税率については負担が大きくなるように、見せかけたわけだ。
筆者は、財務省の確信犯であると考えている。というのも、家計調査統計を使えば、消費が少なく算出されることを財務省は知っていたからだ。
昨年11月21日号の本コラムでも書いたが、財務省は各種統計を見直せと各省庁に求めてきた。その際指摘した統計のなかには、総務省の家計調査統計も入っていた。財務省は「家計調査は高齢者の消費動向が色濃く反映されているため、消費の数字が低めに出ている」と主張していた。
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