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コバろぐ

社会人ブロガー頑張る

キミは1984年のプロ野球セ・リーグのホームラン王争いを知っているか?

スポーツ

どうも!コバヤシです。

今回は野球の話をしようかと思います。

1984年のセ・リーグのホームラン王は阪神タイガース掛布雅之選手と中日ドラゴンズ宇野勝選手の2名。両選手とも37本塁打を放ってます。

オーナーズリーグ マスターズ2013 OLM02/008/PM/宇野勝/1984年中日【プロ野球オーナーズリーグ】掛布雅之 阪神タイガース レジェンド 《2010 OWNERS DRAFT 04》ol04-l-004

これが球史に残るいわくつきのホームラン王となりました。この年のホームラン王を決める試合で、あの“事件”が起こったのですから…。

 

10打席連続四球事件

1984年シーズン、セ・リーグでは阪神タイガースの掛布選手と中日ドラゴンズの宇野選手は37本塁打で並んだまま、直接対決の2連戦を迎えます。そして両チームともこの2連戦でシーズン終了。どうしても我がチームの選手にホームランキングのタイトルを与えたい両チーム監督がとった作戦は、全打席敬遠。つまり、相手にホームランを打たせないという選択です。特に宇野選手は満塁の場面でも敬遠されてました。結果、2試合で掛布、宇野両選手は10打席連続四球となり、ホームラン数で並んだままシーズン終了、両選手がホームランキングに。ファンは激怒、セ・リーグ会長も激怒する中、後味の悪い結果が残ることとなりました。

ね、なにそれ?って思うでしょう?ぼくも当時(小6)からそう思ってます。

 

掛布さんと宇野さんの対談

で、この“事件”について、面白い対談記事を見つけました。

掛布VS宇野「大敬遠合戦」の真実

当時を知るプロ野球ファンならば読まずにはおれないタイトルでしょう。途中でチャチャを入れつつ、引用していきます。

宇野:今日はよろしくお願いします。

掛布二軍監督:まさか宇野にインタビュー受けるとは思わなかったよ(笑い)。宇野とはホームラン争いで10打席連続フォアボールもあったな。

まずは挨拶ですが、掛布さん、なんか台本を棒読みしているようなセリフ回しじゃないですかwww

宇野:そうですね。カケさんはあの時どう思っていたんですか。

掛布:中日の監督は山内(一弘=故人)さんだろ。俺、ヤマさんに「勝負してください」って言ったの。(当時、阪神の監督だった)安藤(統男=現評論家)さんも「勝負してくれ」って言いに行ったの。そしたらヤマさんが俺のことを見て「おい、カケ。1球がいいのか? 4球がいいのか?」って。「何スか、それ?」って聞いたら「1球だったらぶつける」って言うんだよ。「絶対に宇野にホームラン王を取らせる」って。

 すでに話が“事件”に向かっています。しかし、阪神タイガースサイドはフェアに勝負しようとしてたんですね。両チーム暗黙の了解で、と思っていたので、これは意外でした。

宇野:そんなことがあったんですか。でも、僕は山内さんから何も言われてないですよ。ひと言もなかった。

掛布:そうなのか。でも、みんな敬遠してきたやろ。

宇野:そうですね。鈴木(孝政=現評論家)さんが敬遠していたのがちょっと…。

掛布:あいつ最多勝がかかってたんだよな。それが、いきなり(敬遠)だもんな。

宇野:あれはちょっと困りましたね(84年の最多勝は17勝で大洋・遠藤一彦=現本紙評論家。鈴木は16勝)。

鈴木孝政とか遠藤一彦とか、懐かしすぎるwww。それにしても、最多勝がかかってる投手に無条件で四球を投げさせるほど、山内監督は宇野選手にタイトルを獲って欲しかったんですね。

掛布:俺、あのとき(10月3日の中日戦=ナゴヤ球場)3番でいったんだよ。試合前に安藤さんが「申し訳ないけど、3番打ってくれ」って。「何でですか」って言ったら「中日の出方を見たいんだ」って。3番なら1回表に確実に打席が回ってくるからって言うんだよ。だったら、俺は「代打で1回1打席にしましょうよ」って言ったの。

宇野:あー。そういうのもありだったんですね。

掛布:そしたら、おまえの方が全イニング(出場)がかかってるからダメだって言いだしたの。あのとき、全イニング出てたやろ。

宇野:ああ、そうだそうだ。

掛布:それに、あの年、宇野は阪神のピッチャーをよう打ったんだよなぁ。

掛布選手が3番でドラゴンズサイドの出方を見た。宇野選手がもし欠場するなら掛布選手も引っ込める算段だったのに、宇野選手は全イニング出場がかかってて、タイガースの投手もよく打つから出場していたと。だから掛布選手も出場せざるを得なかったってわけですね。宇野選手が間違って1本でも打ったら単独キングを持ってかれるからですね。

宇野:前に話したことがありましたけど「あのとき、俺は調子良かった」ってカケさん、言ってましたよね。

掛布:俺(9月下旬に)6試合で4本くらい打ったもん。それで宇野に追いついたんだよね。俺は、もう絶対の自信があった。しかも次は(狭い)ナゴヤ球場だから。上に上げりゃ入るから。そしたらヤマさんが絶対に勝負しないんだもん。ただ俺はね、その判断というのは理解できるんだ。ヤマさんは「ここまで中日を引っ張ってきた宇野に、ホームラン王というタイトルを取らせるというのは親として当たり前だ」って言ったの。あの当時はみんな(両軍の敬遠合戦を)非難した。その時、西本(幸雄=故人)さんだけだよね、「俺も同じことした」って言ってくれたの。「親として子供を守るのは当然だ」って。ただ運悪く、流れ流れて最後2つ続けて中日と阪神の試合だったというのがね。

宇野:そういうことですね。

掛布さんよくしゃべるなぁwww。それにしてもそうかもね、最終戦がこの2チームの戦いだなんて。その前に勝負つけとけばよかったんですけど、そうもいかなかったんでしょう。

掛布:テレビの取材が嫌でねぇ…。ただ、その年、広島の(山本)浩二(現評論家)さんに言われたの。「カケ、俺は今年はダメだ。宇野にタイトルを取られても構わん。だけど、タイトルを取る厳しさを教えなアカンぞ。タイトルはそんなに簡単に取れないっていうことは、おまえが俺から取って分かっているだろ」って。浩二さんは覚えてないかもしれないけどね。だから、俺はあの年は打率2割7分ぐらいしか打ってなかったもん。最後はホームランしか狙ってなかったから。宇野とは4本ぐらい差があったから、自分なりに追いつかないまでも1本ぐらいまでの差にはしたいとね。

宇野:そういう話があったんですか。

掛布:宇野の方が37本で止まってたんだよな。それから俺がバンバンといって。甲子園(9月26日、大洋戦)で遠藤からライトスタンドに37号を打ったの。打った瞬間に入るホームランだったので「やった!」ってね。それはタイトルを取ったうんぬんじゃなく、並んだということじゃなくて、前にタイトルを取った人間として苦しませてやりましたよ、ということ。浩二さんに言われた役割はできたな、と思ったの。「浩二さん、やりました」って意味だね。

掛布さんよくしゃべるなぁwww。完全に宇野さんが聞き役になっちゃってる。さて、ここでミスター赤ヘル山本浩二さんが出てきました。この人が掛布さんをけしかけたからホームラン数並んじゃったんじゃあwww

宇野:僕はまだ若かった。25か26ぐらい。プロの世界もそんなに長くやってるわけじゃないから「いいんじゃない。勝負すれば」と思っていた。まだまだ俺には、チャンスがいっぱいあると思っていた。

掛布:でも、ヤマさんはそう考えてなかった。宇野の野球人生の中でタイトルホルダーになることは全然違う。ヤマさんはバッター出身だから分かっているよね。タイトルを取らせることで宇野の来年が絶対に変わると信じていたわけだよ。

宇野:確かに。その次の年(85年)のほうが(自分の)ホームランの本数(41本)も増えました。

おかげで宇野選手は成長したと、結果としては良かったんじゃないというわけですね。まぁ、それでいいっちゃいいのかなぁ。

掛布:周りの人はいろいろ言う。これは中に入って監督という立場にならないと分からないと思う。

宇野:もしも掛布監督だったらどうしました。

掛布:俺は勝負しようって言うよ。俺は守ることもなく勝負するよって選手も納得させるし…。まぁ、あの時は消化ゲームだったからな。今はクライマックスシリーズとかもあるから。ただ宇野とはいい経験をした。だから、そういういい勝負ができる選手をこれから育てていきますよ。

いきなり今年の顔である指導者に戻る掛布さん。勝負しようとは思うけど、実際その場面になったらどうなんでしょうね。

 

まとめ

いやぁ、面白かった。また掛布さんと宇野さんだからいいんだよなぁ。2人の人間としての面白さが出てます。ていうか掛布さんしゃべりすぎです。

でも、当事者にとっては「互角のいい争いをしたシーズンだった」で片づけられるのでしょうが、ファンにとってはたまったモンじゃないですよね。

「一体どっちがホームランキングになるんだろう?」とワクワクしながらチケットを握りしめてナゴヤ球場に向かったチビッコファンもいたかもしれない。その子、もしかしたら野球を嫌いになっちゃったかもしれませんよ。

高いチケット買って、ストレス発散しにきたサラリーマンのオッサンもいたかもしれない。その人、余計ストレス貯めましたよ。

プロだったら、そこまで考えなきゃいかんでしょうよ。当事者は勝負勝負と言ってその実、勝負を避けてつまらんもんをファンに見せちゃって恥ずかしいと思わないとダメでしょうよ。まぁ、掛布、宇野の両氏も被害者なんですけどね。

それにしても、プロ野球の裏話は面白いなぁ。大好きなんです、こういうの。

 

ではまた。