超ITオンチな妻に最新iPhoneを渡して、奮闘する様をつぶさに観察する「彼女はiPhoneを使いこなせない」。妻がiPhone 6sを購入してから丸2カ月になり、スマホがある生活が当たり前になってきたようだ。相変わらずフリック操作はおぼつかないが、スマホをいじる姿も様になってきた。
しかし、iPhone周辺の用語やスマホ画面に現れるアイコンの意味は「ほぼ分からん」状態。今回は、妻がどこまでアイコンの意味を理解できているのかを確認してみようとしたのだが、話は(いつも通り)思わぬ方向に脱線していった。
僕 iPhoneの画面の左上に、3Gとか4Gって表示されるじゃん。これってどういう意味か知ってた?
妻 電波の強さでしょ。4G=4本アンテナが立っている=電波状況が良好ってことじゃない?
僕 いや、アンテナはそのとなりにあるから違うよ。
妻 ん? そういえばそうだね……じゃあ分からないなあ。
ここまでは想定の範囲内。
僕 Gはジェネレーションの頭文字で、通信規格の世代を表してる。3より4のほうが新しいし、速度も速いよ。
妻 へー。普通に生活してると、3Gってほぼお目にかからないね。ところで、自宅では扇マークみたいなのが表示されるけど、これと4Gって何が違うの?
僕 扇はWi-Fiね。国際標準規格であるIEEE 802.11規格を使用したデバイス間の相互接続のことで、無線LANの規格の1つなんだ。
妻 だから! IT用語辞典の解説みたいな説明されても分からないってば。無線でつなげる技術ってことはなんとなく理解できるけど……携帯電話ってそもそも無線じゃないの? 4Gだって無線だし。
僕 えっとね、無線は無線でも、3Gや4GとWi-Fiでは、つながっている先が違うんだ。
妻 どういうこと? 携帯電話ってそんなにいくつもつながる先が混在しているの?
この辺からやや話が複雑化する。妻はついてこれるだろうか。
僕 Wi-Fiは自宅内に構築した無線のネットワークなんだ。iPhoneだけじゃなく、iPadやPCもネットにつながるでしょ?
妻 そうだね。みんなで回線を共有している感じ。
僕 でも、家を出ると、Wi-Fiは切れて4Gになるよね。
妻 うん。ただ、4GでもWi-Fiでもスピードの差を感じることはあまりない。どこでもサクサク動いてくれるよ。
僕 ということは、キミの中ではWi-Fiと4Gはほぼ同じって印象?
妻 うん、Wi-Fiも4Gも同じものなのかと。屋内外で呼び名が変わるだけなんだろうなって思っているんだけど、違うの?
僕 ……違います。では聞くけど、屋外で4G経由でネットにつないでいるとき、どこを経由してつながっていると思う?
妻 そりゃ、ドコモとかソフトバンクの携帯電話会社のアンテナでしょ?
僕 そうだね。じゃあWi-Fiは?
妻 同じでしょ。
うすうす感じてはいたが、妻は「スマホはいつ何時も携帯電話キャリアのネットワーク経由で接続する」と信じているようだ。ここから話は泥沼化する。
ここまで読んで「おいおい……」と思われている読者のみなさまにも少々補足を。うちの妻は「Wi-Fiは無線LANの1種」と聞いて、「え? 3Gも4Gも無線でしょ?」なんて言っていましたが、これは妻が「LAN」についてまったく知識がなかったことが理由だと思います。
Wi-Fiと3Gや4Gの違いを考えるときには、「無線」であることよりも「LAN」であることこそが重要なわけですが、妻はLANという言葉の意味(=ローカルエリアネットワーク)が分からないからこそ、自分でも分かる「無線」の方で考えてしまったのだと思うのです。そして実際に、「無線LAN」と言ったときの「LANとは何ぞや?」ということを理解していないIT初心者は、驚くほど多い……のではないかと予想しているのですが、どうでしょう?
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