去年の秋頃にパリ同時多発テロや、
カリフォルニアのサンバーナディーノでの銃乱射事件のニュースで賑わっていた頃、
もう一度しっかり中東問題やイスラム教を勉強し直したいと思い、
イスラムや中東関係の本を読み漁りました。
その中で、ダントツに一番良かったのは、この本です。
- 作者: 渥美堅持
- 出版社/メーカー: 東京堂出版
- 発売日: 2015/07/11
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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この本は、Kindle版がなく、試し読みもできないので、
定価プラス日本からの郵送料の料金で、
ジャケ買いするのは、少し勇気が要ったのですが、期待を大きく上回る良書でした。
日本人にとっては、徹底的な一神教の世界は、全く未知の世界なので、
この本の説明で、初めてよく理解できた事象も多かった。
同じ一神教であるアメリカに長く住んでいるとはいえ、
世俗化したキリスト教国家と、政教分離以前の中東世界では全く違うと衝撃的だった。
特に、神と個人に軸を置く中東での組織に関する考え方は、
農耕民族である日本人の考える組織像とは大きく異なることを学べたのも興味深かった。
このような組織に対する考え方の違いは、
「テロとの戦い」を理解するのに欠かすことのできないと思う。
また筆者の実際の中東体験から、断食の間は痩せるんじゃなくて、
日没後にご馳走を食べまくるから太るみたいな話も面白かった。
佐藤優氏が「イスラームについて知るには、この本を超えるものはない」と
述べていたが、私も全く同意見である。
日本人にとって未知なことが多いイスラム世界だからこそ、
きちんとした知識を身につけ、偏見などからは自由でありたい。
読んでくださって、ありがとうございました。
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