鉄道各社の「大雪対応」はこんなに違っていた
影響人員は東急が最多、でも削減割合は…
首都圏の鉄道が大混乱に陥った1月18日の積雪。夜半から朝にかけて大雪になるという前日の報道を覆し、朝方にはみぞれ混じりの雨に変わった。にもかかわらず、鉄道各社は大雪に備えて運行本数を大きく削減しており、列車に乗れない人が駅構内にあふれた。
事態を重く見た国土交通省は、同月22日に鉄道各社と緊急の対策会議を開き、会社ごとの降雪による影響を発表した。運転見合わせによる影響人員が最も多かったのが東急電鉄。東横線、田園都市線、大井町線、池上線などで、合計84万8600人の通勤・通学の足に影響を与えた。
2年前の教訓から基準を厳格化
東急は2014年2月15日の大雪時に、東横線の元住吉駅構内で列車衝突事故を起こした苦い過去がある。事故を起こした列車は、降雪時に平常時と同じ時速70~80キロメートルで走っていた。雪のせいでブレーキ力も落ちていた。
「あのような事故は今後絶対に起こさない。速度規制や運転中止の基準を厳格にした」(広報部)。同社は事故の教訓として、1時間に3センチメートル以上の降雪があり、降り続くことが予想されるときは、時速40キロメートル以下で運転すると定めた。
今回の1月18日朝の最大降雪量は、東横線の菊名駅で4センチメートル、田園都市線の梶が谷駅で9センチメートルといった状況。朝方には雪からみぞれ混じりの雨に変わっていたが、同社は安全面を重視し、時速40キロメートル以下で徐行運転した。速度規制を適用しなかった会社もある中、東急のそれは首都圏の鉄道会社で最も厳しいものだった。
影響人員が2番目に多かったのは京王電鉄。本線が34万人、井の頭線で8万人、計42万人が影響を受けた。積雪によって高幡不動、桜上水、若葉台の各車両基地で架線が切れ、電車を出庫できないというアクシデントも重なった。