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北朝鮮のミサイル 日米連携し追尾・迎撃へ
2月7日 6時04分

北朝鮮のミサイル 日米連携し追尾・迎撃へ
北朝鮮が、事実上の弾道ミサイルを発射した場合、アメリカの早期警戒衛星や自衛隊のイージス艦、それに地上の高性能レーダーが連携して追尾を行うことになります。
まず、高感度の赤外線センサーを搭載したアメリカの早期警戒衛星が、発射の際に放出される1000度を超える熱をとらえ、発射の動きをキャッチします。この衛星の情報をもとにおおまかな発射場所や発射の方向などが割り出され、東シナ海と日本海に展開する海上自衛隊のイージス艦3隻が、上空500キロ以上の大気圏外を飛行するミサイルをとらえることができる高性能レーダーで追尾します。
また、航空自衛隊の高性能レーダー「FPS5」を備えた国内各地のレーダーサイトも追尾を行います。このレーダーは、青森県むつ市、新潟県佐渡島、鹿児島県下甑島、沖縄県糸満市の4か所にあり、1000キロ以上離れた場所で発射されたミサイルを、上昇を始めた早い段階からとらえる能力があります。
そして万が一、日本国内に落下するおそれがある場合は、イージス艦に搭載された「SM3」と呼ばれる迎撃ミサイルで撃ち落とすことになります。
仮にイージス艦が撃ち落とせなかった場合は、航空自衛隊の迎撃ミサイル「PAC3」が地上近くで迎撃します。自衛隊は、今回、PAC3を、沖縄県の石垣島と宮古島、沖縄本島の那覇基地と知念分屯基地、それに東京・市ヶ谷の防衛省や埼玉県の朝霞訓練場、千葉県の習志野演習場に展開させ、万が一の場合に備えます。
ただ、落下のおそれがなく、日本の上空を通過する場合は、迎撃ミサイルを発射することはないということです。

アメリカ軍は

北朝鮮が事実上の弾道ミサイルを発射すると予告したことについてアメリカ太平洋軍は、弾道ミサイルを追尾し迎撃できるイージス艦や、弾道ミサイルを探知する海上配備型のXバンドレーダー、それに高い高度で敵のミサイルを撃ち落とす「THAAD」という移動式迎撃ミサイルなどをアジア太平洋地域に配備して発射に備えているとしています。
このうち、イージス艦についてアメリカ海軍の当局者は、弾道ミサイルへの対処能力を持つイージス艦6隻が日本に配備されているとしたうえで、このうち何隻が北朝鮮のミサイルへの対応に当たるかなどの詳細は言えないとしながらも、イージス艦「ベンフォールド」が日本周辺で警戒にあたる見通しを明らかにしました。
「ベンフォールド」は去年10月に横須賀基地に配備された弾道ミサイルを迎撃する能力を持つイージス駆逐艦で、5日、北海道の小樽の港に入港した、このあと日本の近海に派遣される予定としています。
また、アメリカ海軍の当局者は、佐世保基地を5日出港したミサイル追跡艦「ハワード・ローレンツェン」について、「定期的にアジア太平洋地域に派遣されており、北朝鮮によるミサイル発射の予告を受けて特別に派遣されたものではない」としていますが、関係者によりますと、北朝鮮のミサイルへの警戒に当たる可能性が高いとしています。

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