2016/02/06
FAP で扱う心的外傷は、精神科や心療内科で使っている診断基準に基づいたものだけに限定せず堅苦しく考えることはしません。
心的外傷は、ショックなことを体験した後、しばらく後になって、訳のわからない不安感や苦しさ、うつ状態、悪夢、不眠などに苦しめられてしまうことです。
ショックを受けたときに解離した複雑な感情は、他の記憶と結びついてしまって、ショックを受けた感覚が急に襲ってきたり、ショックを受けた直後の絶望感に引きずり込まれたりします。
以前、インタビューを受けていて、心の傷になりやすい人と、後になってもダメージが残らない人のどこが違うのですか?と質問されたことがあります。
確かに同じ震災にあった人の中にも、心の傷になって後々まで色んな症状で苦しむ人と、しばらくはうつ状態で動けなかったけれどすぐに回復して後々まで元気にやっている人の差があります。
戦争体験でも同じで、戦場で同じ隊にいて全く同じ体験をしていたのに心の傷になり精神症状で苦しむ人と、何年たっても症状が全くない人の差があるのです。
その差はどこにあるのだろう?と考えたときに二つの可能性が考えられます。
一つは、脳に問題があって人との関係でコミュニケーションの障害があると心の傷になりやすい可能性です。
なぜなら、ショックを受けたら、人は言葉で自分の感情を伝える必要があるからです。
ショックを受けたときの恐怖の感覚を言葉で表現して複雑な感情を話しながら分解することで脳の中に記憶として整理されていきます。
ショックな体験をしても、何度も何度も話をすることで、複雑だった感情が細かい感情に分解されて海馬が整理しやすい感情になるので脳に記憶として整理され、いつの間にか“思い出”になっていきます。
脳の特徴から会話の中で感情的な表現ができない人は、話をして複雑な感情を分解することができないので、ショックに伴う感情が整理されずに後々まで苦しむことになってしまうのです。
心の傷になりやすいもう一つのタイプはFAP の“心的外傷”の治療パターンに出てくる指の順番がヒントになります。
心的外傷の場合は、中指(見捨てられる不安)→薬指(不安・恐怖)→小指(怒り)の順番で治療をします。
中指から始まっているので“見捨てられる不安”があって、薬指の不安・恐怖を一人で抱えることになり、小指の「何で自分がこんな我慢をして苦しまなければいけないんだ」という怒りになっている、と考えられるのです。
要するに“見捨てられる不安”が原因になっているのです。
幼少期に育児放棄されたか、家が緊張状態にあって安心感を得られなかった人は援助希求行動を達成することができず、人の中で安心して自分の気持ちを打ち明けることができません。
人目を気にして自分の気持ちを打ち明けることができず、自分一人で抱えてがんばってしまって、誰にも理解されずにイライラしてストレスが溜まり精神症状が表出します。
被災地で、自分の家のことは放っておいても一生懸命に人助けをしてボランティアにも積極的に参加していた人が、ある日、突然に自殺をしてしまう、というケースがどの国でもあります。
「何であんなに親切な人が自殺してしまったの?」とみんなは不思議に思うのですが、これが心の傷なのです。
“見捨てられる不安”があるから人の中で緊張が高く、複雑な感情を人に打ち明けられず、人に自分の恐怖体験を話すことができませんから感情の記憶が処理されずに間違った記憶につながって本人を苦しめ続けます。
そして「誰も自分のことを理解してくれない」という怒りは他人には向けられず自分自身に向いて、自分を破壊してしまうのです。
このように、精神的に弱いからショック体験後に苦しんでいるのではなくて、人の中での安心感が無いから、人を頼って恐怖体験を言葉で表現して記憶を整理させてもらうことができずに苦しんでいるのです。
心の傷を見るときに“見捨てられる不安”という指の反応はとても重要になります。
“見捨てられる不安”があることで心に傷が残りやすくなってしまうのです。
心的外傷は、ショックなことを体験した後、しばらく後になって、訳のわからない不安感や苦しさ、うつ状態、悪夢、不眠などに苦しめられてしまうことです。
ショックを受けたときに解離した複雑な感情は、他の記憶と結びついてしまって、ショックを受けた感覚が急に襲ってきたり、ショックを受けた直後の絶望感に引きずり込まれたりします。
以前、インタビューを受けていて、心の傷になりやすい人と、後になってもダメージが残らない人のどこが違うのですか?と質問されたことがあります。
確かに同じ震災にあった人の中にも、心の傷になって後々まで色んな症状で苦しむ人と、しばらくはうつ状態で動けなかったけれどすぐに回復して後々まで元気にやっている人の差があります。
戦争体験でも同じで、戦場で同じ隊にいて全く同じ体験をしていたのに心の傷になり精神症状で苦しむ人と、何年たっても症状が全くない人の差があるのです。
その差はどこにあるのだろう?と考えたときに二つの可能性が考えられます。
一つは、脳に問題があって人との関係でコミュニケーションの障害があると心の傷になりやすい可能性です。
なぜなら、ショックを受けたら、人は言葉で自分の感情を伝える必要があるからです。
ショックを受けたときの恐怖の感覚を言葉で表現して複雑な感情を話しながら分解することで脳の中に記憶として整理されていきます。
ショックな体験をしても、何度も何度も話をすることで、複雑だった感情が細かい感情に分解されて海馬が整理しやすい感情になるので脳に記憶として整理され、いつの間にか“思い出”になっていきます。
脳の特徴から会話の中で感情的な表現ができない人は、話をして複雑な感情を分解することができないので、ショックに伴う感情が整理されずに後々まで苦しむことになってしまうのです。
心の傷になりやすいもう一つのタイプはFAP の“心的外傷”の治療パターンに出てくる指の順番がヒントになります。
心的外傷の場合は、中指(見捨てられる不安)→薬指(不安・恐怖)→小指(怒り)の順番で治療をします。
中指から始まっているので“見捨てられる不安”があって、薬指の不安・恐怖を一人で抱えることになり、小指の「何で自分がこんな我慢をして苦しまなければいけないんだ」という怒りになっている、と考えられるのです。
要するに“見捨てられる不安”が原因になっているのです。
幼少期に育児放棄されたか、家が緊張状態にあって安心感を得られなかった人は援助希求行動を達成することができず、人の中で安心して自分の気持ちを打ち明けることができません。
人目を気にして自分の気持ちを打ち明けることができず、自分一人で抱えてがんばってしまって、誰にも理解されずにイライラしてストレスが溜まり精神症状が表出します。
被災地で、自分の家のことは放っておいても一生懸命に人助けをしてボランティアにも積極的に参加していた人が、ある日、突然に自殺をしてしまう、というケースがどの国でもあります。
「何であんなに親切な人が自殺してしまったの?」とみんなは不思議に思うのですが、これが心の傷なのです。
“見捨てられる不安”があるから人の中で緊張が高く、複雑な感情を人に打ち明けられず、人に自分の恐怖体験を話すことができませんから感情の記憶が処理されずに間違った記憶につながって本人を苦しめ続けます。
そして「誰も自分のことを理解してくれない」という怒りは他人には向けられず自分自身に向いて、自分を破壊してしまうのです。
このように、精神的に弱いからショック体験後に苦しんでいるのではなくて、人の中での安心感が無いから、人を頼って恐怖体験を言葉で表現して記憶を整理させてもらうことができずに苦しんでいるのです。
心の傷を見るときに“見捨てられる不安”という指の反応はとても重要になります。
“見捨てられる不安”があることで心に傷が残りやすくなってしまうのです。