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希望の肖像 福島に重ねる

ベラルーシの少女を描いた作品を手にする八島さん

◎10日から同大で絵画展/東北芸工大2年八島さん、ベラルーシの子ども描く

 山形市の東北芸術工科大美術科2年八島千尋さん(22)が10日から同大で、チェルノブイリ原発事故で被害を受け、いまも強く影響が残るベラルーシの子どもたちを描いた絵画展「Future」を開く。福島県国見町出身の八島さんは16点の作品に、福島の未来への希望も重ねた。
 描いたのは、10〜16歳の15人の男女の肖像と、現地の風景と子どもをモチーフに、人間と自然が持つ可能性を表現したという縦2.3メートル、横4.2メートルの大作。約半年かけて仕上げた。
 ベラルーシはチェルノブイリ原発のあるウクライナに隣接する。八島さんは3〜4月に約2週間滞在し、放射能の影響も指摘される糖尿病など、病気を抱えた子どもたちと触れ合い、保養施設を見学した。
 東日本大震災後、被災地でのボランティア活動や福島の現状を伝える講演活動に取り組み、福島第1原発事故で被害を受けた古里と向き合い続けてきた。国内の原発の再稼働などの動きを前に、活動に行き詰まりを感じ、訪問したという。
 八島さんは「現地の子どもたちから、どんな現実があっても乗り越えていこうという明るさを感じた。作品が福島の現状と向き合うきっかけになったらうれしい」と話している。
 会場は同大図書館2階スタジオ144で14日まで。午前9時〜午後8時(最終日は午後4時まで)。


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2015年11月08日日曜日

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