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 福山通運(本社・広島県福山市)は5日、同社の執行役員が取締役を務めていた子会社で、約6億円を着服していたと発表した。福山通運は同日の取締役会でこの執行役員を解任し、弁護士らによる内部調査組織の立ち上げを決めた。同様の事案が他にないか調べるため、9日に予定していた第3四半期決算の発表を延期した。

 福山通運によると、この執行役員は子会社「ジェイロジスティクス」の取締役に2006年6月に就任した。09年5月ごろから昨年3月まで複数回にわたり、運送委託先の下請け業者に水増しした請求書を出させ、実際にかかった費用との差額を業者側から受け取り着服した。業者側にも着服額の一部が渡っていた。

 執行役員は15年6月にジェイ社の取締役を退任し、福山通運に戻って営業部門を担当していた。今年1月、福山通運に国税局の税務調査が入り、水増し請求が発覚。同社の内部調査に執行役員は着服を認めた。同社は、刑事告訴も検討しているという。