事業を続けること、あるいは自分の好きなことをやるために必要なこと

ーーお知らせーー

先日、村田くん、金ちゃんの記事を書かせてもらいました。

<参考記事>

いろいろあるので取材の裏側は書けないのですが、インタビューにかかった時間は本当に短かったんじゃないかな。

村田くんも金ちゃんも元楽天で、うちの奥さん(こっちも元楽天)とも近いこともあってか、ことあるごとに気にしてたこととか、なによりこの5年、今でこそスタートアップだオープンイノベーションだって言ってますが、当日はまだリーマンショックやライブドアショックからようやく立ち直ってきたばかりの頃。

嵐の後に「ようやく落ち着いてきたね、よし仕事だ」って言った矢先の東日本大震災だったわけです。2010年頃から今までを生き延びたスタートアップのみんなにはなんていうのかな、同じ戦場を戦った戦友みたいな気持ちが働くんですよね。私はいわば通信兵ですから色々見せてもらった分、特に。

クーポン共同購入サイトの戦争は本当にうんざりするような出来事で、色々な人たちと会いましたけど、その多くがなんの思い入れもなかったんじゃないかな。とにかくインタビューしても「なぜ始めたのか」に答えがない。

お前バカ?儲かるからやってんじゃん。何を取材してるの?」。

まるでそんな風に聞かれてるみたいな気分になって、ああ、スタートアップとかベンチャーとか結局こういう人たちの狩場でしかないのか、って気が沈んだのもよく覚えてます。まあ、今から思えば甘いですねー、私(笑。

正しいのですよ。儲かるからやる。起業の現場は戦場です。毎日生きるか死ぬか、そんなことをギリギリの精神状態で考えて行動に移してる人たちばかりですから。ただ、ひとつ、今になって振り返ってこれだけは間違ってなかったなって思うことがあります。

それは「なぜそれをやるのか」を考えること、です。

村田くんたちは残念ながら米グルーポンとリクルートという日米大クーポン戦争の渦に巻き込まれ、その他多くのクーポン事業者とともに吹き飛ばされることになります。おせち事件とか懐かしいですね。

それでキラメックス軍が撤退戦を決断した時、村田くんと金ちゃんの2人から聞いた事業が当時ちょっと話題になってたソーシャルコマースだったんです。そっちに舵切りすると。けど、根本的にはクーポンとあまり変わらず。

で、次に聞いたのが今やってるTechAcademyだったんです。

これ、裏話があって、この事業というかアイデアは、村田くんたちのメンターでもあり、個人投資家として支援してきた小澤さんと一緒に考えたものだったんですね。小澤さんは面白い方で、個人投資家として沢山の若者を支援先してて、そこにはロケットスタートの古川くん(けんすう)やアソビューの山野くん、クロコスやごちクルで有名なスターフェスティバルなど、今を煌く起業家のみなさんが在籍しているんです。

小澤さんは自宅の地下だったかな、そこにはインキュベーション施設ならぬ、オフィスを持っていて、そこで若手の方々は起業準備をしているのですが、ここで勉強会というか、プログラミング教室をやったのがTechAcademyの始まりだったそうです。因みにこの場所から巣立った起業家たちはここのことを「小澤牧場」って呼んでます。

※牧場主は現在、ヤフーでショッピングをしていらっしゃると風の噂で聞いてますが、私は上場企業取材しないのであまりよく知りません。

さておき、そうやって始まったプログラミング勉強会を事業にすると聞いた時、私はこの前段とか全く抜きでしたから「なんじゃそりゃ」となるわけです。クーポンからプログラミング教室はさすがに銀河系が違うぞと。支援者のグロービスの今野さんが「ピボットじゃなくてトラベリング」って書いてたのが言い得て妙でした(笑。

記事にも書きましたが、村田くんたちは元々、インターネットが大好きで、これで新しい可能性を発見するのが楽しいって言ってたんですよね。クーポン事業も立ちがり時は自分でプログラミングして作ってたし。金ちゃんはそれを売ってくる係。2人はいいパートナーだったなって改めて思います。

自分でプログラミングを覚えて事業を作った時の楽しさをみんなにも知ってもらいたい、だから今の事業があるんじゃないかと。楽しくなければ続けられないし、自分がやるべきだと思えなければ嫌なことあった時にやっぱりやめちゃうと思うんですよね。

なぜやるのか、なぜ自分なのか。そしてそれは自分ができるのか

今回、ユナイテッドさんに参加することになったわけですが、この会社も幾つかの事業会社が統合してできた新しい会社さんなんですよね。金子さんという学生起業家と手嶋さんのような力強いメンバーの中でも、村田くんや金ちゃんがここまで粘った力は全く遜色なく、輝いてくれるんじゃないでしょうか。

ユナイテッドのアドネットワークでTechAcademyの広告がずっとリタゲして追いかけてくる日を楽しみに待ってます。

Takeshi Hirano

About Takeshi Hirano

ブロガー。TechCrunch Japan、CNET JAPANなどでテクノロジー系スタートアップの取材を続け、2010年にスタートアップ・デイティング(現THE BRIDGE)を共同創業。1977年生。(株)THE BRIDGE代表取締役

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