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 内戦が続くシリアで、数万人のシリア人がトルコ南部キリス県との国境地帯に殺到している。アサド政権軍は1月下旬から連日、ロシア軍の空爆支援を受けて、シリア北部のアレッポや近郊の反体制派勢力圏を激しく攻撃しており、住民らが逃れてきている。トルコのメディアなどが伝えた。

 アナトリア通信などによると、キリス県のオンジュプナル国境検問所のシリア側には、越境して避難しようとする約1万5千人のシリア人が待機しているという。トルコのダウトオール首相は4日、アレッポ周辺からトルコへ向かう人々は6万~7万人に達し、さらに30万人に増えるとの予測を明らかにした。

 アサド政権軍は今年に入ってシリア第2の都市、アレッポ制圧に戦力を集中しているとみられ、ロシア軍の支援を受けて、郊外の要衝を次々に制圧。反体制派を支援するトルコから、アレッポ市街地の反体制派の勢力圏に続く補給線も分断したとみられる。