どこのニュースでも
清原和博は入手ルートを黙秘している
と報道している。入手ルートを守り続けたとき、清原和博は真の番長になれるであろう。
逮捕されても入手ルートを守り続けたのは江夏豊と勝新太郎だ。黙秘した結果、江夏豊は初犯にも関わらず執行猶予がつかず二年四ヶ月の実刑判決を受けた。裏社会の仁義を守ったのだ(たぶん)。勝新太郎は取り調べも裁判も勝新節で煙に巻いたので、入手ルートは今も謎のままだ。
麻薬取締法で捕まった人はほぼ全員が取り調べで入手ルートを喋る。執行猶予がぶら下がっている状態で警察の追求をやり過ごせる人なんていない。ASKA逮捕時も「入手ルートは黙秘」という報道があったけど、実際にはASKAは当初から取り調べに協力的だった。ASKAの証言から芋づる式で逮捕された人数は30人を超えるという。
悲劇的な事件もある。伝説的なジャパニーズ・ハードコア・パンク:S.O.Bのボーカルは麻薬で捕まったときに入手ルートをベラベラ喋ってしまった。彼は釈放された後に自責の念から電車に飛び込み自殺をしてしまった。
ようやく本題。今俺の手元に「のりピーと芸能界クスリ天国」という本がある。
のりピー逮捕後に出された本で、1970~2009年までの薬物でトラブルを起こした日本の芸能人が列挙されている。薬物で逮捕者が出るたびに俺はこの本を読み返す。読書は人生を豊かにする。
この本の後書きには著者の分析が乗っているんだけど、それが面白い。一つは
薬物の逮捕者には二世芸能人が多い。
もう一つの分析が↓だ。
関西のお笑い芸人で薬物に手をだす人はほとんどいない
言われてみればお笑い芸人の薬物事件はほとんど聞いたことない。お笑い芸人にはミュージシャン以上に素行の悪い人もいる。女性トラブルや金銭トラブルもよく聞く話。なのに薬物トラブルだけは関係ない*1。
著者はその理由として関西の山口組が麻薬を扱ってないからを挙げている。知っている人は知っているだろうが山口組は麻薬撲滅運動に取り組んでいる。関西のお笑い芸人が裏業界と繋がりがあっても、それが山口組なら麻薬を入手できる経路が無い。だから関西のお笑い芸人には麻薬を嗜む文化が生まれず、それがお笑い芸人全体に広がっている。
それに対して関東で幅を効かせる住吉会系のシノギは麻薬だ。清原和博もASKAも住吉会系の組織から覚せい剤を入手していたと噂されている。清原和博やASKAのように執行猶予がつくようなショボい犯罪でも警察の捜査班が組まれて長期間の捜査が行われる。警察の目的は麻薬ではなくて、その背後にいる暴力団だ。
「入手ルートは黙秘」という報道は容疑者を暴力団から守り、捜査の邪魔をさせないための警察の作戦だ。清原和博の黙秘報道も同じかもしれない。しかし番長なら本当に仁義を通しているかもしれない。だとしたら売人の暴力団員は清原和博のために
「番長、男気じゃんけんはワタシに勝たせてもらいますわ」
と言いながら出頭してもらいたい。
*1:あらかじめ言っておくけどマーシーは音楽業界出身だぞ。落語家では笑福亭小松が逮捕されたことがある