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 2014年度に通報があった高齢者に対する虐待は1万6039件で、前年度より87件(0・5%)増えた。増加は2年連続。家族らによる虐待は横ばいだが、介護施設の職員らが加害者のケースは35・7%増の300件で、8年連続で過去最多を更新した。厚生労働省が5日に公表した。

 06年度施行の高齢者虐待防止法で、虐待の疑いに気づいた人に自治体への通報が義務づけられた。14年度の通報件数は、過去最多の2万6911件。介護施設の職員らによる虐待と判断されたもののうち、施設別では特別養護老人ホームが最多の31・7%に上った。

 被害者のうち女性が69・7%で、認知症の人が77・3%。虐待の種別(複数回答)では、「暴力など身体的虐待」が63・8%で、「暴言など心理的虐待」が43・1%だった。