ボンズのSLE物語12~友達ができた。Kちゃんのはなし~
2016/02/06
~前回までのあらすじ~
時は1997年!
どうやら、膠原病の全身性エリテマトーデス(SLE)らしいぞ?
ということで、大学病院に入院しました、ボンズです。
確定診断がおりないので、いろんな検査に検査を続ける毎日。
入院病棟で、初めての友達ができたのであります。
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1.トモダチ、芋づる式。
H君(ボンズのSLE物語11参照)と友達になったら、
ほかの患者さんたちともお話をするようになった。
他の患者さんとの交流を好まない人もいただろうけれど、
世代も割と近く、交流したいと思う人々が集まっていた時期だったんだろうと思う。
なんかもう、友達が増えて、わったわただった。
なんかデイルームに、顔見知りがいっぱい集まってくるわけですw
2.Kちゃんのこと。
同じ病室にいたKちゃんもそのひとり。
オイラよりちょっとお姉さん。
キラキラした茶色い長い髪をした、キレーなお姉さんだった。
彼女は膠原病でもSLEでもなかった。
血液系の難しい病気だと聞いていた。
当時はまだ治療が本格化していなかったため、
許可をもらってはしょっちゅう外出してるし、
あんまりペラペラとおしゃべりするタイプでもないみたいで、
オイラもほとんど話したことがなかった。
しかしなんと、H君は、すでにKちゃんとコミュニケーションをとっていた!
入院の玄人は違う!?
オイラは不覚にも(?)H君を通じてKちゃんと話をするようになったのである。
Kちゃんはごく普通の、女子高生だった。オイラとおんなじだ。

Kちゃんのイメージ、こんな感じ(盛りすぎかw)。オイラはもっと泥団子みたいな感じw
Kちゃんは不本意にも難しい病気にかかってしまい、治療を始めるところだという。
「うちらなんにも、悪いことしてなくない?」
「ほんとさ。やってらんないねー。」
と、二人で愚痴をよくこぼした。
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3.抜毛の副作用。年頃の女子にこれはきつい。
あるとき、Kちゃんの治療が本格的にはじまり、毎日、だるそうに、辛そうにしていた。
そしてある日とうとう、あのきれいな髪の毛が、たくさん抜けてしまった。治療の副作用だ。
Kちゃんはシャワー室から泣きながら帰ってきた。
(あれ、髪の毛…?あぁ、察し。)
オイラみたいなボンズならまぁ、「剃るかぁ…」で済むだろうが、
年頃の娘が髪の毛が一気に抜けてしまうのは、さぞつらかっただろう。
ベッドのカーテンを閉めて嗚咽するKちゃんに、病室の誰も、あえて声はかけなかった。
あとから看護師さんがやってきて、いろいろお話をしていたようだ。
抜毛後は、頭にバンダナを巻いていた。
それから数日後、彼女はクルンクルンに巻いたキラキラのウィッグを手に入れて、
上機嫌だった。普段はバンダナを巻いていたが、ちょっと外出なんていうときには
ウィッグを装着して「変身」するのが常だった。
Kちゃんは、背も高くて、モデルさんみたいだった。
あんなきれいな人も、病気になるんだな。病気は平等に、ふってくるもんだ…(´・ω・`)
その後、オイラの退院後も治療を続けていた。
退院後何回か見舞いに行った。あるとき見舞いに行ったら、すでに退院していた。
元気になったのだろうか。もう、大丈夫になったのだろうか。
そのあとの連絡先は、誰も知らなかった。
いまもどこかで、元気に幸せに暮らしていてくれているといいと思う。
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