02月05日 19時10分
インフルエンザの治療薬、タミフルを服用したあと、マンションから飛び降りて死亡した愛知県の中学生2人の遺族が、薬の副作用が原因と認めるよう求めた裁判の2審で、名古屋高等裁判所は「服用が原因と裏付ける事情がない」として1審に続いて遺族の訴えを退けました。
愛知県では11年前に知立市で、中学2年生だった、秦野皓平さん(14)がインフルエンザの治療薬タミフルを服用したあと、自宅マンションから飛び降りて死亡し、9年前にも蒲郡市で中学2年の女子生徒がタミフルを服用後にマンションから落ちて死亡しました。
薬の副作用による被害を救済する独立行政法人「医薬品医療機器総合機構」が副作用による異常行動と認めず、遺族一時金を支給しない決定をしたことから、2人の遺族が、決定を取り消すよう機構側に求めました。
去年3月、1審の名古屋地方裁判所が訴えを退けたため、2人の遺族が控訴していました。
5日の2審の判決で、名古屋高等裁判所の木下秀樹裁判長は「タミフルに添えられた文書には重大な副作用として異常行動が記されてはいるが、併せて、因果関係は不明とされている。服用が飛び降りの原因とは推定できず、ほかにも原因と裏付ける事情がない」と指摘して1審に続いて、遺族の訴え判決のあと、亡くなった秦野皓平さんの母親の竜子さん(55)が記者会見し、「タミフルの副作用と死亡との因果関係を全く理解してもらえず、判決を残念に思う」と話しました。
代理人の弁護士は判決を不服として最高裁判所に上告する方針を示しました。
判決について、医薬品医療機器総合機構は「主張が認められたと認識している。引き続き公正に業務を行いたい」というコメントを出しました。
新着ニュース