■落下地点は2012年と同様
北朝鮮が国際機関に通告したロケットの落下予想区域も大きな関心を集めている。ミサイルの発射角度によって、ロケットの残がいの落下水域に差が生じるが、ロケット胴体が2012年12月の銀河3号に比べて遠くに落下すれば、ロケットの推進力が向上したことを示す。
北朝鮮が2日に通告した落下区域は1段目ロケットが群山西方沖約148キロメートルの海上、衛星のフェアリングは済州島西方約93キロメートルの海上、2段目ロケットはフィリピン・マニラ東方約139キロメートルの海上だ。これは12年に銀河3号のロケット胴体とフェアリングが落下した海域とほとんど差がない。
このため、北朝鮮は今回、銀河3号と同様の長距離ロケットを打ち上げる可能性が高いとみられている。銀河3号は北朝鮮としては初めて重量100キログラムの人工衛星を軌道に進入させることに成功した。
韓米軍当局は北朝鮮が銀河3号を長距離ミサイルに転換した場合、射程距離が1万キロメートル以上に達し、米西海岸を射程圏に入れる大陸間弾道ミサイル(ICBM)になるとみている。
韓国政府は北朝鮮が今回、12年よりも重い人工衛星の軌道進入を試みる可能性が高いとみている。搭載衛星の重量増加は、ミサイルの弾頭重量の増加を意味する。北朝鮮は地球観測衛星を打ち上げると主張しているが、銀河3号は300キログラム程度の衛星を搭載する能力があるとされる。
東倉里の発射台の高さが当初の50メートルから60メートル以上にかさ上げされた点からみて、一部からは今回打ち上げられるミサイルが米東海岸を射程圏に含む1万3000キロメートル以上を飛行可能なのではないかとの指摘もある。しかし、韓国軍筋は「ロケットの落下地点からみて、そうした判断には無理がある」と慎重だ。