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市民デモ特化授業、識者からは異論も 日教組の教研集会始まる
日本教職員組合(日教組)の第65回教育研究全国集会が5日、岩手県で始まった。3日間の日程で全国から延べ約1万人の教員らが参加。リポートは計約690本に及び、初日は選挙権年齢の18歳以上への引き下げで注目を集める「主権者教育」の授業例が複数報告された。中には安保法制に対する市民運動を素材に、政治参加の手法の中で「デモ行為」に特化した授業例も紹介され、識者から懐疑的な声も上がった。
日教組によると、主権者教育に関するリポートは「社会科教育」部門を中心に計25本。鳥取県の男性高校教諭は、デモ行為などに特化した授業例を報告した。国会で安保法制が審議されていた昨年7月、国会前で座り込みに参加し、「(市民運動などに)すごいエネルギーを感じ教材にしたい」と思ったのがきっかけだったという。
実際の授業では安保法制の賛成・反対両派のデモ行為映像のほか、国内外の歴史的なデモや市民運動の写真などを見せて、デモ行為を考えさせた。学習の結果、「(生徒の)デモの見方が当初に比べて前向きに変わっていった」とし、「(デモを)もっとポジティブにとらえてもいいのではないか」と総括した。