他人のパソコンをウイルスに感染させたなどとして、警視庁サイバー犯罪対策課は5日、東京都大田区在住の高校1年の男子生徒(16)を不正指令電磁的記録供用などの疑いで書類送検した。
同課は730台のパソコンを感染させ、通販サイトやインターネットバンキングのID・パスワード延べ1800人分を入手したとみている。
送検容疑は2015年6月、衛星放送などを無料で視聴できるツールと偽り、遠隔操作ウイルスをネット掲示板に仕込み、東京都内在住の40代男性にダウンロードさせて感染させた疑い。
また、14年12月から昨年6月、パソコン内のデータをロックし、それを解除すると称して金銭を要求する身代金要求型ウイルスをネット掲示板に仕込んだ疑い。
同課によると、男子生徒は感染端末から不正入手したID・パスワードをネット上で転売。代金は仮想通貨「ビットコイン」で支払わせていた。男子生徒のパソコン内には5万円相当のコインが残っていたという。
男子生徒は他人のID・パスワードを使い、オークションサイトで高級腕時計を2600万円で落札したこともあったという。同課は悪ふざけだったとみている。
身代金要求型ウイルスでは、実在する都内の法律事務所をかたっていた。ネット上などでこの事務所への嫌がらせを繰り返しているグループがあり、男子生徒は「グループに参加して一体感を味わいたかった」と話しているという。
ウイルス、パソコン