錦織博監督の新作アニメ「CHIKA☆CHIKA IDOL」 日米同時にクラウドファンディング開始へ
日本を代表するアニメ監督の新作アニメをクラウドファンディングで実現しようとするプロジェクトが、日本と米国で2月からスタートする。プロジェクトのタイトルは『CHIKA☆CHIKA IDOL』、監督は『とある魔術の禁書目録』『あずまんが大王』などで知られる錦織博だ。
作品はアニメファンから人気の高い美少女アイドルものだが、本作ならではの仕掛けも多数盛り込んでいる。アニメの世界観を「地下アイドルの少女たちの日常」とする一方で、作画ではセルルックの3DCGを採用する。現在、高い注目を集める最新のCGアニメの技術で実現を目指す。
『CHIKA☆CHIKA IDOL』は、2015年10月にシンフォニウムが発表したプロジェクトだ。「地下アイドル」の少女たちを描くアイドルアニメで、CGながら親しみやすい女の子たちのキャラクターが特徴になっている。
シンフォニウムは本庄武氏と錦織博監督が立ち上げた会社で、アニメづくりの新しい仕組みに挑戦する。幅広いファンに対してアニメの制作資金の支援を募るクラウドファンディングの導入もその一環である。作り手とファンが直接つながることを目指している。
アニメ制作のためのクラウドファンディングは、近年、日本の作品でも、海外での実施、国内での実施とも増えてきた。大きな金額の調達に成功し、実際にアニメ制作に進むケースも少なくない。
そのなかで『CHIKA☆CHIKA IDOL』は、これまでと異なった取り組みを用意する。クラウドファンディングを日本と米国でほぼ同時に展開することだ。国内に比べて海外のクラウドは実績も多く、システムやビジネスでもノウハウが蓄積されている。一方で日本での実績はまだ米国に及ばないが、アニメに限れば潜在的な支援者は最も多い。国内(日本語)と海外で同時にプラットフォームがないことから、両方の市場を視野に入れたクラウドファンディングプロジェクトはほとんどなかった。
『CHIKA☆CHIKA IDOL』では、日本ではMakuake、英語圏ではKickstarterで、ほぼ同時にクラウドファンディングを実施することでこの壁を超える。異なったサービスを使う一方で、リワードを共通化するなどの工夫が凝らされている。
さらにこうしたクラウドファンディングのサポートをTokyo Otaku Modeが行う。日本のポップカルチャー情報の発信や海外向けECを行う同社は、言語を超えたポップカルチャービジネスや商品発送のノウハウを保有する。これをクラウドファンディングでも活用する。アニメの作り手と日本、そして海外のファンをつなぐ挑戦が、アニメ業界からも関心を集めそうだ。
『CHIKA☆CHIKA IDOL』
http://chikadol.com/ja/