ヘイトスピーチ警戒 地元ぴりぴり
5日開幕した「第67回さっぽろ雪まつり」で、外国人排斥を目的とするデモ行進の開催が懸念されている。2013年以降は毎年、デモ行進や街頭宣伝が行われ、特定の人種や民族、国籍などに対する「ヘイトスピーチ」が問題になった。昨年訪れた観光客235万人のうち、外国人は約12万人。関係者は「札幌市のイメージダウンにつながる」と警戒している。
過去のデモ行進などには、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の道内関係団体メンバーらが参加し、韓国人などを中傷した。この道内団体幹部は「今回はデモや街頭宣伝の予定はない」と話すが、在特会の別の関連団体がホームページで「2月7日に雪まつりに行こう」などと呼び掛けている。
人権擁護活動などを行っている皆川洋美弁護士ら市民有志は、「ヘイトスピーチ、許さない」と書かれた法務省作成のポスターを札幌市中心部のホテルなどに配布し、掲示するよう呼び掛けている。皆川弁護士は「雪まつりにはさまざまな国籍、民族の人が訪れる。札幌はヘイトスピーチを許さない街だと伝えたい」と協力を求めている。
雪まつりの事務局を担当する札幌観光協会は「国際都市、多文化共生を掲げる市のプロモーションに悪影響を及ぼす可能性もある」と話している。【山下智恵、高野玲央奈】