トップページ科学・医療ニュース一覧凍結保存した自分の卵子使い健康な女性が出産
ニュース詳細

凍結保存した自分の卵子使い健康な女性が出産
2月2日 12時21分

凍結保存した自分の卵子使い健康な女性が出産
k10010394291_201602021235_201602021238.mp4
大阪府内の健康な女性があらかじめ凍結保存しておいた自分の卵子を使って去年、出産していたことが分かりました。卵子の凍結はがん治療などの際に行われることがありますが、健康な女性で行われ、出産に至るのは極めて珍しいということです。
大阪・西成区の診療所「オーク住吉産婦人科」によりますと、出産したのは大阪府内の44歳の健康な女性で独身だった4年ほど前からこの診療所で卵子を採取して凍結保存していたということです。
その後、結婚してから41歳当時に凍結した卵子を使って体外受精を行い、去年5月、女の赤ちゃんを出産したということです。
卵子の凍結保存は、がん治療などの際に行われることがありますが、診療所によりますと、健康な女性で行われ出産に至るのは極めて珍しいということです。
健康な女性の卵子の凍結保存は、女性の晩婚化が進むなか広がっているとみられますが、日本産科婦人科学会は、去年、卵巣出血などを起こすおそれがあり、胎児への影響が不明だなどとして、健康な女性には基本的に推奨しないとする見解をまとめています。
また、日本生殖医学会は、健康な女性にも認めるガイドラインをまとめていますが40歳以上は推奨できないなどの条件をつけています。
「オーク住吉産婦人科」の船曳美也子医師は、「仕事などの理由で高齢になってから出産せざるをえない女性にとって、少しでも選択肢が広がることには意味があるのではないか」と話しています。

日本生殖医学会元理事長「推奨すべきではない」

日本生殖医学会の元理事長で慶應義塾大学の吉村泰典名誉教授は、「仕事の都合や結婚相手がいないといった理由で卵子を凍結したいという女性からのニーズがあるのは理解できる。ただ、凍結卵子を使っても必ずしも出産できるわけではなく、また、高齢になってからは、体へのリスクも高まるため推奨すべきとは考えていない。まずは出産適齢期に女性が子どもを産める社会をつくることが大切だ」と話しています。

関連ニュース

k10010394291000.html

関連ニュース[自動検索]

このページの先頭へ