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 中国共産党に批判的な本を出版・販売していた香港の「銅鑼湾書店」関係者5人が失踪した事件で、中国広東省の公安当局が、消息不明だった店長ら残り3人を拘束し、刑事事件で捜査していると認めた。中国側から連絡を受けた香港警察が4日夜、発表した。これで5人全員が中国本土で当局の調べを受けていることが明らかになった。

 中国側が拘束を認めたのは、昨年10月に広東省などで失踪したとされる書店の林栄基店長ら3人。香港警察の発表によると、中国側は「3人が桂という人の事件に関連し、中国本土内で違法な活動に従事した疑いがあり、法に基づいて強制捜査を受けている」と伝えてきた。書店親会社の株主で作家の桂民海氏の事件を指すとみられる。

 タイで失踪した桂氏は国営メディアで、死亡事故を起こして執行猶予中の12年前に国外に逃亡した罪を「自白」。国営メディアは桂氏が別の犯罪に関わった疑いも指摘しており、5人は中国の体制を批判する出版活動に関連して調べられている可能性もある。

 中国側はまた、「自ら中国に渡り、調査に協力している」と妻に連絡してきた書店親会社の株主で作家の李波氏からの手紙も香港側に渡した。香港警察は李氏との面会を求めているが、李氏本人は「今は必要ない。必要があれば、自分から警察に連絡する」と書いていたという。