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仮採用、仮免許、仮契約など (2016/2/5)

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  仮採用、仮免許、仮契約など、「仮」のつく言葉は多い。まだ正式でない状態を指す。最近の若者は「ガールフレンド(仮)」といった使い方もする。交際間もなく、友達と恋人の間で揺れ惑う心模様が「仮」に現れている▼TPPが5年余りにわたるロングラン交渉の末に、協定文書の署名にこぎ着けた。協定文は本体約900ページ、付属書約2000ページの大部に及ぶ。その正式な協定文は英語、フランス語、スペイン語の3カ国だけ。日本語は採用されず、発効後も「仮訳」扱いだという▼わが国は交渉を主導したと自負し、日米議会で承認しなければ発効しないと、威勢がよかったが随分な扱いである。いくら後発参加国とはいえ、国の形を変えかねない歴史的な協定文書が「仮訳」とは解せない。一事が万事、米国の意のままということか▼TPP担当相だった甘利さんの辞任で、署名式は副大臣が出席したが、着物姿が借り衣装のようで浮いて見えた。正式署名とはいえ、発効は米議会次第と考えれば、まだ「仮契約」といえなくもない▼舞台は、承認の権限を持つ国会へ。ところが後任大臣の石原さんは、TPPに関していえば「仮免許」に等しい。国の針路に関わる要職だけに、アクセルとブレーキの踏み間違いだけは御免こうむりたい。

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