エロい=ハゲるイメージはありませんか?その理由を徹底解説
「性欲が強いとハゲる」と育毛の噂ではよく言われています。これは男性ホルモンが男性型脱毛症の原因だと知られるようになったため、性欲が強い=男性ホルモンが多い=ハゲやすいという図式から「性欲が強いとハゲる」と言われるようになりました。
しかし、実際はそうとも言い切れないようです。「性欲が強いとハゲる」は本当なのか?嘘なのか?真相を調査してまとめました。
男性ホルモンがエロい=ハゲるイメージを作っている
ハゲはスケベで絶倫なの?
男性の中でよく、髪の毛の薄い人は絶倫だという俗説がしばしば指摘されています。エロい=ハゲるイメージというのは、そもそもなぜ男性が女性を求めるのか、から考える必要があります。
その理由は一言で言ってしまうと、男性ホルモンのせいです。
男性ホルモンは、睾丸で分泌されていて、男性機能を高める効果があります。男性は女性と比較すると筋肉質でたくましい体になりますが、これも男性ホルモンのせいです。その他にも性欲を高めて、ペニスが勃起しやすい環境を作る働きもあります。最近EDと言われている男性機能の低下は、何かしらの理由で男性ホルモンの分泌が弱くなっていることが関係しています。
また男性ホルモンが大量に分泌されると、闘争心をかき立てる性質があります。歴史に名を残している男性の中で、絶倫だった人が多かったといわれています。まさに「英雄色を好む」という言葉は正しいのです。
スケベは男性ホルモンの分泌量が多い
男性によって、性欲の高い低いはあります。若い男性でもあまり女性を求めない、淡白な人がいます。しかし一方で中高年に差し掛かった男性でも、年中女性の尻を追いかけているような男性もいます。これはなぜかというと、男性ホルモンの分泌量が関係しています。いわゆるドスケベと言われている人は、もともと男性ホルモンの分泌量が平均よりも多いと考えられています。
男性ホルモンの分泌量を決めるのは、まず遺伝が関係しているといわれています。その他には適度に運動をして栄養バランスのとれた食事を日々とっている、ストレスをあまり感じないといった生活環境も影響してきます。
ちなみに余談となりますが、男性の中には一部、自分と同じ男性を愛する性質の人もいます。このような男性は、胎児のときに適度な男性ホルモン量を浴びなかったことが性癖に影響しているのではないかという説があります。
男性ホルモンとハゲの関係
スケベと男性ホルモンが関係していることはお分かりになったでしょう。では男性ホルモンとハゲの関係性ですが、この話のきっかけになったのがある実験です。アメリカのハミルトンという人が1940年代に男性ホルモンと薄毛の関係性に関する実験・調査をいろいろと行いました。その結果、以下のような結論が出ました。
▼薄毛が進行中の人の睾丸を取り除いたところ、進行が止まった
▼去勢した人に再度男性ホルモンを外部から投与したところ、薄毛が再進行した
▼髪の毛が普通にある人を去勢して、男性ホルモンを外部から投与したところ、薄毛になることはなかった
この結果から見て、男性ホルモンが何らかの影響を薄毛に対して及ぼしていることがわかります。しかしさらに最近の研究によって、男性ホルモンと薄毛の関連性がさらに詳しくわかってきています。
エロい=ハゲるのカギを握るジヒドロテストステロン
薄毛になるメカニズムはこうです。テストステロンという男性ホルモンがあります。これそのものに薄毛になる働きはありません。ところがテストステロンに5αリダクターゼという酵素がくっつくと、ジヒドロテストステロンという活性型の男性ホルモンに変化します。
このジヒドロテストステロンは、髪の毛の発毛や成長を邪魔してしまいます。その結果、なかなか髪の毛が発毛しにくくなって、薄毛の症状が進行してしまうのです。
毛乳頭には、このジヒドロテストステロンを受け入れる受容体のようなものがあります。この受容体が活発かどうかも、薄毛の進行に影響してきます。男性ホルモンが変化したジヒドロテストステロンが発生しやすくなると薄毛になりやすい、男性ホルモンの量の多い人はスケベな傾向がある、これがエロい=ハゲるイメージというイメージを作り出しているわけです。
性欲が強いとハゲる?性欲と薄毛の関係の本当はどうなの?
射精のやり過ぎは薄毛に悪影響になるかも?
男性ホルモンが関係する性欲と薄毛の関係
男性の薄毛の原因として、性欲が関係しているという話について、テストステロンという男性ホルモンの一種が関係していると説明させて頂きました。
テストステロンは、男らしさを維持するために欠かせない重要なホルモンとされています。筋肉質のがっしりとした体、性欲や勃起をつかさどるホルモンです。しかしテストステロンそのものが薄毛に関係しているわけではありません。
さて、男性の薄毛の原因としてもう一つ、ジヒドロテストステロンという成分があります。
先ほど紹介したテストステロンに5αリダクターゼという酵素の一種がくっつくことにより、発生します。このジヒドロテストステロンは、毛乳頭という髪の毛の成長に必要な栄養分を運ぶ部分に結合することがあります。するとTGF-βという、発毛を抑制する指令を出すたんぱく質の一種を作り出します。その結果、毛母細胞の細胞分裂が抑止されてしまって、髪の毛が十分な成長をしなくなります。男性の性欲に関係するテストステロンの副産物が薄毛に関係しているから、性欲と薄毛が良く関連付けられます。
射精のやり過ぎは薄毛に影響?
男性ホルモンが活発に出ている人は、性欲も強い傾向があります。そうするとセックスやオナニーなどで、頻繁に射精をする傾向があるかもしれません。しかし頻繁な射精というのは、薄毛につながる恐れがあります。
射精をすると、細胞の再生機能を低下させる恐れがあります。私たちの体は、睡眠をとって休息している間に古い細胞から新しいものへの生まれ変わりを毎日行っています。もちろん、細胞を再生をするためには栄養分なども必要になります。
ところがもし性欲が強すぎて射精を繰り返していると、栄養分が精子を作ることの方にどんどん回されてしまいます。細胞再生の栄養分が十分に供給できなくなってしまうのです。
一見するとわかりませんが私たちの髪の毛は、一定のサイクルで抜けては生えての繰り返しを行っています。髪の毛が抜けて、再度髪の毛を発毛するためには栄養分が必要です。ところがあまりに頻繁に射精を繰り返していると、髪の毛の成長のための栄養が供給されなくなり、髪の毛の成長が滞ります。このように性欲が強く何度も射精をしていると、髪の毛の成長に悪影響をもたらすかも知れないわけです。
オナ禁は薄毛の進行を食い止めるの?
頻繁に射精をすることで、薄毛になるリスクが高くなると紹介しました。毎日のように射精をしている人は、「ではオナ禁など射精を我慢すれば薄毛対策になるのか?」と思っている人もいるでしょう。確かにある部分までは正解です。
しかし極端な射精の抑制をすると、逆に薄毛を進行させる可能性があります。
性欲があってムラムラして、セックスなりオナニーなりをして射精をするのはある意味本能的な欲求です。それを「薄毛になるから」という理由で無理やり押し込めてしまうと、それがストレスになります。
ストレスも薄毛になる要因の一つです。過度にストレスを抱え込んでしまうと、自律神経のバランスが崩れてしまいます。肉体が慢性的に緊張状態に置かれてしまって、血管が収縮し、頭皮に十分な血液が供給されなくなります。すると頭皮が栄養失調のような状態になってしまって、髪の毛をなかなか作り出せなくなります。
男性が適度に射精をするのは、ある意味必要なことで健康的な日常生活の営みの中である意味必須の条件といえます。射精のやりすぎはいけませんが、極端に射精をしないことも逆に髪の毛にとって良くないわけです。適度に射精することで、性欲をある程度発散しましょう。
エロいとハゲるは嘘!問題は受容体の感受性にあり!
男性ホルモンが多くても薄毛対策は可能だ!!
ジヒドロテストステロンが多くても…
頭頂部や額の生え際など特定の箇所に集中して薄毛の起こる男性特有の脱毛症を、AGAといいます。このAGAの原因とされているのが、男性ホルモンです。テストステロンという男性ホルモンが5αリダクターゼと結合すると、ジヒドロテストステロンというより強力な男性ホルモンとなります。このジヒドロテストステロンは、脱毛を進める働きがあるため、薄毛につながります。
このような男性型脱毛症のメカニズムがあるため、男性ホルモンの多い人は薄毛になるといわれます。ちなみに男性ホルモンは、男性の性欲や勃起機能にも大いに関係しています。その結果、性欲の強いエロい人はハゲになりやすいともされています。この話ですが、一部あたっている半面、誤解のある個所もあります。
ジヒドロテストステロンですが、もう一つ重要なポイントがあります。それは毛乳頭と呼ばれる髪の毛を生み出すのにかかわる重要な組織が関係しています。毛乳頭には先ほど紹介したジヒドロテストステロンを受容するポイントがあります。この受容体の感度は人それぞれで、敏感に反応する場合ジヒドロテストステロンの影響を受けやすい、すなわちハゲになりやすいとなります。
つまりエロい男性で、毛乳頭のジヒドロテストステロンの受容体の感度が良ければハゲになりやすいです。男性ホルモンが多く分泌されている男性でも、毛乳頭の受容体の感度が鈍ければ、ジヒドロテストステロンの影響を受けにくい、つまりハゲにくいとなるわけです。
上記でもすでに紹介しましたが、1940年代にハミルトンが行った実験で、薄毛になっている人の睾丸を取り除いたところ進行が止まったという「男性ホルモンと薄毛が関係しているような」結論が出ています。しかしその一方でもともと髪の毛がフサフサな人を去勢して、男性ホルモンを外部から投与しても薄毛にならなかったという結果も出ています。男性ホルモンと薄毛は、必ずしも常に同じ結果をもたらすわけではないことがわかるはずです。
結論!性欲とハゲは必ずしも関係があるとは言えない
性欲と薄毛の関係について、アメリカのジョージ・ハミルトン博士が行った実験で必ず関係があると言えないということが判明しています。薄毛に悩む方を去勢するとそれ以上薄毛が進行することはなく、男性ホルモンを投与すると再び薄毛が進行し始めました。しかし、薄毛ではない方も同様の実験をすると、こちらの場合は全く薄毛が進行しなかったそうです。実験結果からわかるように、性欲が強いからと言ってハゲるというのは間違いだと言えます。
性欲が強いとハゲるなら若い方がハゲやすい
男性の性欲は男性ホルモンの影響で決まります。男性の性欲のピークは10代後半から20代前半ですが、男性が薄毛や抜け毛が気になるようになるのは40代あたりからです。「性欲が強いとハゲる」が真実なら、若い男性ほど薄毛や抜け毛が気になるはずです。
男性型脱毛症の最大の原因は、男性ホルモンの一種であるDHT(ジヒドロテストステロン)によって皮脂分泌が過剰になり頭皮の毛穴をふさいでしまうことです。
毛穴が塞がると毛周期が乱れて髪の生え変わりが上手くいかずに、一度抜けると次の髪が生えなくなり髪が薄くなってしまいます。
男性ホルモンは皮脂分泌を多くさせる働きがあるため、頭皮ケアを念入りにして元気な髪が育つサポートをするのが重要になります。
それでも心配なら5αリダクターゼを抑制すればよい
男性ホルモンの量が多い、毛乳頭の感度も高いとなると確実にハゲになってしまうようなイメージがあるでしょう。しかし簡単に言うと、ジヒドロテストステロンという物質が発生しないように出来れば薄毛を抑制できます。
ジヒドロテストステロンは、テストステロンが5αリダクターゼという酵素とくっつくことで生成されます。ということは、5αリダクターゼの働きを抑制すれば、テストステロンが活発に分泌していてもジヒドロテストステロンは生成しにくくなります。実はこの5αリダクターゼの働きを抑制する物質が、いくつか紹介されています。
現在毛髪外来と言って、AGAを医学的なアプローチで治療する方法も確立しています。毛髪外来では、頭皮の状態を診察して、医薬品を処方します。その医薬品の中の一つに、フィナステリドがあります。フィナステリドには、先ほど紹介した5αリダクターゼを抑制する働きがあります。
ただしフィナステリドの場合、人によっては副作用が起きる危険性もあります。そこで現在注目されているのは、フィナステリドと同じような働きのある、天然由来の成分です。たとえばノコギリヤシや亜鉛には、フィナステリドと同じような働きがあって、かつ副作用のリスクも少ないため、育毛剤などの成分としてしばしば活用されています。
男性は10代後半とか20代の若いころには、性欲もかなり高かったはずです。しかし若いころに性欲が高く男性ホルモンが活発に分泌されていても、薄毛になる人はそう多くないはずです。男性ホルモンが薄毛と関係性のあるのは確かですが、あまり気にするとかえってストレスで薄毛に悪影響となってしまうかもしれません。あまり気にせずに、以下で紹介しているような育毛剤を必要に応じて使うのが適切な対処策になるでしょう。