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ポジ熊の人生記

ブログ継続の秘訣や記事作り・人生哲学・健康情報などを雑多に書くブログです。北海道民の知識を活かした地方情報も発信しております。

あなたの不幸はあなた自身が選んだもの~アドラー心理学

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書評『嫌われる勇気』の第2回目をお送りします。

第1回目はこちらになります。

手元のカードをどう使うか

アドラー心理学ではこう教えています。「大切なのはなにが与えられているかではない。与えられたものをどう使うかである」と。

つまり、手元のカードでいかに勝負するかが大切であり、「自分にはあれがあるから、これがあるから」というのは言い訳にならないということですね。人がうらやましいなどという妬みの感情が強い人は、与えられたものに腐心している可能性があります。 

 

あなたの不幸はあなたが選んだ

与えられたものに執着しても現実は変わらない。我らは交換できる機械ではない。必要なのは交換ではなく「更新」なのです。

つまり、あれがあれば、これがあればと目に見えるものに腐心せず、自分の内なる部分に目を向けて、その考えを改める(更新する)ことの大切さを説いているのでしょうか。

生まれながらの不幸などは存在しません。それははっきりと否定します。いまのあなたが不幸なのは、自らの手で「不幸であること」を選んだからなのです。不幸の星の下に生まれたわけではありません。

これは反発必至でしょうね。アンチアドラーが増えるのも無理はない。社会的に生まれが悲惨であった場合、それが目に見えたハンディキャップに映るのが世間の感覚だろうし、当事者の主観でもあると思うのです。その主張をここまで一蹴してしまうのですからね。しかし、これには理屈がありそうなので、もう少し読み進めてみます。

自分のことを「不幸」だと考えているあなた。それは状況によりそうなったわけではなく、あなた自身がその不幸を自身にとって「善」であると判断した結果です。それにはしかるべき「目的」があるのでしょう。

自分が不幸だと感じて塞ぎ込んでいる人にとっては、晴天の霹靂ともいえる理論です。誰だって、不幸になりたくて生きているわけじゃない。幸せを求めて、今日も歩どこかで誰かがもがき苦しんでいると思います。そんな人に対して「あなたは好きで今の状況を選択しているんだよ」って言われたら、ねぇ(笑)でも、なんとなくわかる気がするよ。僕もこの本を読んで以来、何か嫌なことがあってもそれにどういった意味付けをするかを考えるようになった。これが過去やトラウマからの解放の一歩なのかもしれない・・・

 

人は常に「変わらない」という決心をしている

あなたは自分のライフスタイル(考え方)自ら選んでいる。その形成はアドラー心理学では10歳前後と言われています。現在の自分が「こんなわたし」と考えているなら、その選択が無意識によって行われてきた可能性もある。外的要因(家庭環境やトラウマ) がどれほどあろうと、それを選択したのは紛れもない「あなた」なのです。

実に厳しいことを言っている。僕は家庭環境が複雑ではなかったし、虐待も受けていないのでまだ力を抜いて聞いていられるが、そういった方々はこれを見た時に「お前に何がわかるんだ!」って激高しながら本を閉じてその場を去っていくのではないか、と危惧してしまう。いや、実際にそうなる人が多数いるだろう。裏を返せば自己選択で人生はいくらでも切り開いていけると説く、しかしその選択には大きな勇気がいる、か。アドラー心理学、恐るべしですね。

ライフスタイルが先天的なものではない。ということは再び選びなおすことも可能なはずです。凄惨な体験をしたり辛い思いをされたり、そういった過去があるのは紛れもない事実かもしれません。ですが、問題は過去ではなく、今「ここ」にあることが重要なのです。過去に囚われて身動きが取れないままに生きるか、新たな道を選択するか。全てはあなた次第なのですよ。

正直なところ、理屈ではだいたい理解できた感はある。アドラー心理学の難しさって、これをいかに自分の中に受け入れて(許容して)それを実生活に反映するかにあるんじゃないかって思う。自分の過去に全ての責任を押し付けて今を進まないのは難しいことじゃない。逆に過去に正の意味付けをして現在を切り開くことは、勇気が必要だし簡単なことじゃない。それでも、今「ここ」を生きるということは勇気を出して進む、ということなんだろうなぁ。それが難しいのよ・・・

あなたが変われないでいる理由、それは自分に対して「変わらない」という決心をしているからです。自分のライフスタイルを変えないでおこうという、不断の決心をしている。つまり人は、種々の不満があろうとも、変わらない自分で居続けるほうが楽だし、安心できると考えているのですよ。アドラーの心理学は「勇気の心理学」とも呼ばれるのです。

変われない、じゃなくて「変わらないという決心」と言われればグウの根も出ないです。はっきりいって強烈すぎます。つまり、自分の中の根本的な部分(アドラーがいう「ライフスタイル」ですかね)を変えない限り、未来を切り開くことができないということでしょうか。なるほど、「勇気の心理学」ですか。納得ですよ。

 

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あなたの人生は「いま、ここ」で決まる

あなたがまずやるべきこと、それは「いまのライフスタイルを止める」という決心です。「もし○○だったら・・・」という可能性の中に生きているうちは、変わることなどできませんよ。あなたは「あなた」のまま、ただライフスタイルを選びなおせば良いのです。

もし、自分のライフスタイルを変えることができないのなら、それは自分への言い訳に過ぎないのでしょうね。けど、ここで早合点してはいけないこともある。それは、自分が所属しているしがらみ(被扶養者の親、会社など)をないがしろにした選択などは難しいということ。アドラー心理学を生活に取り入れて勇気を出していくには、自分自身に経済的な力をある程度は付けないと難しいのかなって、リアルに考えてます。例えば現在(H28/2/4)の僕だったら親にも職場にもかなり依存している部分があって、現在の自分を変えるためにそれらのしがらみを解き放つ必要があるとしたら、まずは最低限、自分で経済的に自立する基礎が必要なんだろうなって。そういうことですわ。

「これまでの人生になにがあったとしても、今後の人生をどう生きるかについて何の影響もない」アドラーはこう教えています。自分の人生を決めるのは「今、ここ」なんだと。

一見すると刹那主義にも聞こえるアドラー心理学。しかし、その思想は深く、果てしなく深く、それは宇宙にまで及びます。それはおいおい見えてくるでしょう。嗚呼、なんて気持ちが良いのでしょう。痛すぎて気持ちがいいアドラー心理学。これは人生における荒療治ではないでしょうか・・・。

 

ーー

 

今回はここまで。

次回は「全ての悩みは対人関係」です。

 

終わり