カイロ=翁長忠雄
2016年2月5日11時29分
エジプト首都カイロ近郊の幹線道沿いで3日、イタリア人男性の学生(28)の遺体が見つかった。遺体は半裸状態で、拷問とみられる痕があった。学生は、ムバラク元大統領を退陣に追い込んだ2011年の大規模デモが始まった記念日にあたる1月25日から行方不明になっていた。
エジプトのアハラム紙電子版によると、遺体は半裸状態で殴られたり切られたりたばこで焼かれたりしたような痕があった。学生はエジプトで貿易組合の調査研究をしていた。25日朝、友人の誕生会に行くためにカイロの自宅を出て、中心部のタハリール広場近くへ向かった後に行方が分からなくなった。同広場は11年の反政府デモの中心地で、25日は現シーシ政権に反発する新たな抗議行動が起きる可能性があるとして警察が厳重に警戒していた。
イタリアのレンツィ首相とエジプトのシーシ大統領は4日、電話で会談。シーシ氏は事件の解明に注力すると表明した。エジプトでは昨年夏、クロアチア人男性がカイロ郊外で拉致され、過激派組織「イスラム国」(IS)が男性を殺害したとする画像を公開した。(カイロ=翁長忠雄)
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朝日新聞国際報道部
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