アップル系のうわさサイト 9to5Mac が、アップルのティム・クック CEO がサービス提供企業として Android への対応拡大を検討していると伝えています。クック CEO は具体的に何をするかについては語っていないものの、iCloud のサービスを Android に対応させることなどが考えられます。
1月26日の決算で、アップルは184億円もの純利益を発表しました。にもかかわらず、一部では iPhone の売り上げが鈍ったことを理由に苦戦しているとも報じられました。しかしティム・クック CEO は最近行われたアップル従業員との会合の場で「iPhone はこれからも最も大きなビジネスであり、売り上げも拡大できる」としており、2015年は販売が鈍った iPad も、再び収益拡大に貢献するようになると語っています。
9to5Mac はティム・クック CEO がこの会合で Android 版 Apple Music アプリについて「Android でもサービスを拡大できるかの"予備調査"だ」と語ったと伝えます。そしてそれが「他のプラットフォームに展開するためのドアを開けた」として、アップルが自社サービスをさらに Android に対応させていく可能性があると報じました。
奇しくもAndroid版Apple Musicは先日機能強化されており、SDカードへの楽曲保存とオフライン再生などが可能になっています。
Android版Apple Musicアプリ、楽曲をSDカードへローカル保存可能に。オフライン再生に対応
アップルのサービスといえば、まず思い浮かぶのが iCloud 。フォトライブラリー、カレンダー、メール、メモ、ドキュメントなどの機能を備えます。とはいえこれらは Google の一連のサービスに比べるとまだまだ見劣りするところがあるのも事実です。Android ユーザーを iCloud に引き込もうとするならば、機能的、性能的な差をなくし、さらに上をいく改善が求められることはまちがいありません。
一方、アップルが力を入れるもう一つのサービスに Apple Pay があります。ただ Apple Pay は NFC 通信のセキュリティ強化のため特許技術を使用しており、そのまま Android に対応させるのは難しそうです。
いずれにせよ、Google も Microsoft もすでに自前のサービスを Android および iOS 、PC すべてに対応させています。莫大な利益を生み出してきたアップルも、さらにそれを拡大するためには、自社製品だけでなく他のプラットフォームへのサービス展開が必要と考えても不思議はなさそうです。
ただアップルは Android ユーザーを取り込むことを考える前に、iCloud を使わないアップル製品ユーザーを振り向かせることも検討する必要があるかもしれません。