パリ=青田秀樹
2016年2月5日13時08分
パリで昨年11月に起きた同時テロ事件で、首謀者らの居場所を通報したとされる女性の証言を仏メディアが4日報じた。首謀者から、仲間約90人がパリ周辺にいると聞いたという。これに対して検察当局は、証言や報道が、捜査上の機密の漏洩(ろうえい)や、証言者らの身を危険にさらす行為にあたる可能性があるとみて捜査に乗り出す事態になった。
証言したのは、テロ後の治安部隊の突入作戦の際に死亡したハスナ・アイトブラシェン容疑者の友人の女性。女性はテロの2日後に、首謀者のアブデルアミド・アバウド容疑者と会ったという。
シリアにいたとされる同容疑者が「正式な書類なしにフランスに戻った」と話していたと語り、フランス人のほか、シリア、イラク、ドイツ、英国などの計90人もフランスに入り、パリ周辺にいると説明するのを聞いた、とした。「(レストランなどの)テラスを襲ったのは俺だ」と誇らしげに話してもいたという。
この女性は、さらなるテロ計画を知り、アバウド容疑者らが身を隠したアパートを聞き出して通報した。テロ組織からの報復をさけるため、引っ越しして、偽名を使って暮らすよう治安当局から求められた。だが支援が不十分で仕事も暮らしもままならない、と当局に対して不満を持っているという。(パリ=青田秀樹)
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朝日新聞国際報道部
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