インターネットの素晴らしいところは、誰もが平等に情報発信ができる点だ。しかし、「誰でも発信できることは、誰からも見られる」という非常に恐ろしい場所でもある。突っ込みどころのあるエントリーをあげると、小姑スピリッツあふれる読者から全力の指摘が入り、バッシングされる。いわゆる炎上というヤツだ。個人ブログ・サイトですら、猛烈な叩きが入る世界なので、「メディア」サイトを名乗る組織であったら、その対応を誤ってしまうと、吉原もビックリするほど燃え上がる。
誰でも簡単に「メディアサイト」を作ることができるが、インターネットの危機管理能力・センスがないと本当に危険だ。
慶應義塾大学総合政策学部の学生である石黒和己氏が代表を務める、「想定外の未来をつくる!10代のメディア」とキャッチフレーズがついた「青春基地」(http://seishun.style/)が現在3度の炎上している。
これまでの流れを簡単にまとめてみた。
(1)1月27日 青春基地に「はてなブックマーク)という記事を掲載。
(2)インタビュー相手がパクりTweetで有名だった@Copy_writing。パクツイを快く思わない数多くのユーザーが激怒し、大炎上(1回目)。そして青春基地サーバーダウン。
シエさんのツイートを無断転載してることでもお馴染み「Copy__writing」の中の人がインタビューで『つくる側の人間だから、常に批判される立場にいるんだろうなと思う』とか言ってるんだけど口からゲロを通り越してうんこが出そうだな。 https://t.co/vkCu5boW5L
— ひつじのあゆみ2 (@i_my_meeeeeeee) 2016, 1月 27
(3)この記事に掲載された@Copy_writingのコメントも他からのパクりだったことが判明し、ネット民唖然。
(4)Webニュースサイトがこの騒動を報道し、さらに燃え広がる。
(5)この騒動で@Copy_writingのフォロワーが激減し、さらにアカウントが消える。
(6)1月30日 この大炎上に慌てた青春基地代表 石黒和己氏「TwitterアカウントCopy writing、Fall™さんの記事に関する騒動につきまして – 青春基地」(元記事が削除されているので、リンク先は魚拓)(はてなブックマーク)という謝罪エントリーを出す。「インタビュアーの10代の自主性を尊重したいので、掲載は続けます(キリ)」という内容で、未成年の高校生を正しく指導するのが大人の役目だろ! と大炎上(2回目)
(7)2月4日 2回目の大炎上に慌てた青春基地「【訂正】TwitterアカウントCopy Writing , Fall™さんの記事に関する騒動につきまして※2/4に訂正いたしました。」(魚拓)という追加エントリーを発表。インタビュアーの高校生は1回目の炎上の時に記事の取り下げを願った編集部側が拒否。1月30日公開した高校生のコメントを編集部側が改悪していことが発覚。高校生に対しての連絡もお粗末なことが判明し、さらなる大炎上に(3回目)
この一連のやりとりをチェックした後、2月4日にアップされた、青春基地に掲載された(7の部分ね)高校性のコメントを読んで欲しい。悪名高きCopy writingが可愛く見えるほど、青春基地の対応のヒドさが分かる。
本来なら青春基地の編集部が執筆者を外部から守らなくてはいけない。しかし今回の対応は真逆で、これでは晒し上げです。今回の騒動で最大の責任者は青春基地の代表でしょう。(7)の謝罪コメントでも執筆者を守ることができなかったに全く触れていない。
また、青春基地のサイトでは、アドバイザーとして「文部科学大臣補佐官 東京大学教授・慶應義塾大学教授 鈴木寛さん」「メディアイノベーション代表 講談社 第一事業戦略部特任アドバイザー 戸塚隆さん」「元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表 堀 潤さん」の名前があがっているけど、こいつら……失礼、このお三方もいったい何のアドバイザーをしているんだ!
堀 潤氏は今朝、こんなTweetをしていたけど、騒ぎが大きくなる前に対処しましょうよ。そしてなんだか人ごとだなんだよな。
記者本人の反省文をそのまま掲載したのは完全に間違い。読者からの「なぜパクツイについて触れないのか?」という純粋な疑問に答える検証を行い問題があれば訂正し今後の方針について編集長の見解を出すのが正解だった。青春基地には組織のあり方も含め見直しをして出直した方がいいとアドバイスした。
— 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) 2016, 2月 4
いまあらためて掲載文を読みましたが、読者を無視し、仲間を守れず高校生に責任を押し付ける青春基地の編集部の今回の対応は酷すぎ。アドバイスもなかなか届かず、そして渦中の高校生達が本当にかわいそう。今朝方のツイートをあらためてシェア。https://t.co/Bo88SHBXQm
— 堀 潤 JUN HORI (@8bit_HORIJUN) 2016, 2月 5
さて、最後に話が変わるが、この手の炎上が発生した場合、連絡はメールやメッセンジャーではなく、直接会うか電話した方が良い。今回もメールではなく、直接電話していたら、のような悲劇は防げたはずだ。