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その仕事は「自前」か「外注」か、
または「機械にさせる」のか?

――2020年、全ての経営者はこの課題に直面する

内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]
【第53回】 2016年2月5日
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デジタル化の潮流は急速な勢いで社会や企業のビジネスに影響を及ぼし始めている。今回は、2016年以降に大きく進展する技術と、2020年に向けて、それらが加速させるパラダイムシフトについて言及する。

これからのデジタル化社会の
キーテクノロジー

 2007年に初代iPhoneが発売された時に、現在のスマートフォンの普及を予測できた人はどれくらいいただろうか。

 情報通信白書によると2015年末のスマートフォンの世帯普及率は64.2%が見込まれており、もはや1人が複数台のスマートデバイス(タブレット端末を含む)を保有する時代となっている。注目すべき点は、技術進展のサイクルが短縮化していることである。我が国の主要な情報通信メディアにおいて世帯普及率が10%を超えるまでにかかった年数は、電話が76年であったのに対し、ファクシミリは19年、携帯電話が15年となり、インターネットにいたってはわずか5年となっている(郵政省通信利用動向調査)。

 オンライン上でハードウェアの設計・開発ができるプラットフォームを提供するUpverterは「2020年、インターネット接続されたデバイスは世界中で800億以上となり、これらのデバイスの50%以上が、新しいハードウェア企業の製品となる」と予測している。

 テクノロジの進化だけでなく、ビジネスモデルの普及サイクルも短縮化している。

 2009年に設立された自動車配車サービスのUberは、2015年の売上げが100億米ドル以上(このうち約20~25%が実際の手数料売上げとなる)と推定される巨大企業に成長しており、さらに2016年にはその2倍以上の売上げとなると予測されている。すなわち、2020年までのわずか5年のうちに、我々がまだ知らない企業が革新的な技術やビジネスモデルで世界を席巻している可能性が十分にあることを示唆している。

 2016年から2020年までのデジタル化を牽引し、社会・経済・産業・ビジネスにおけるパラダイムシフトに大きな影響を及ぼすキーテクノロジとして、IoT(Internet of Things)、AI(Artificial Intelligence)、API(Appication Programing Interface)の3つに注目したい(図1)

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内山悟志 [ITR代表取締役/プリンシパル・アナリスト]

うちやま・さとし/大手外資系企業の情報システム部門などを経て、1989年からデータクエスト・ジャパンでIT分野のシニア・アナリストととして国内外の主要ベンダーの戦略策定に参画。1994年に情報技術研究所(現アイ・ティ・アール)を設立し、代表取締役に就任。現在は大手ユーザー企業のIT戦略立案・実行のアドバイスおよびコンサルティングを提供する。


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日々進化するIT技術をどうやって経営にいかしていくか。この課題を、独立系ITアナリストが事例を交えて再検証する。クラウド、セキュリティ、仮想化、ビッグデータ、デジタルマーケティング、グローバル業務基盤…。毎回テーマを決め、技術視点でなく経営者の視点で解き明かす。

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