http://www.asyura2.com/13/warb11/msg/731.html
どーも、斎藤です。
画像は偉大なる言語学者Noam Chomskyですね。言語学以外の分野でも活躍していらっしゃいます。
斎藤は昔から言葉、言語というものそれ自体が好きです。なので英語やスペイン語、イタリア語を勉強したり、大学で言語学を勉強したりしてます。おもしろいです。
今日は
脳が生み出す言語の不思議さ、おもしろさについてちょっと紹介したいと思います。
斎藤には大好きな言語学の教授がいます。その先生が入門の授業の一番最初の頃にしてくれた話を。
皆さん、
自分たちはNative Language(母語)について全てを理解していると思っていませんか?
Native Languageなんだからそりゃわかるよ、理解できてるよ
実は自分たちの知らないところで私たちが発する言語には興味深い現象がいろいろと起こっています。
突然ですがこれはなんと読みますか?発音してみてください。
わんたんめんかん、、、ワンタン麺館?
斎藤もよくわかりません。笑 ただ皆さんはこの今までに出会ったことのない単語を発音できますよね?おもしろいのはここからです
質問
「ん」は「わんたんめんかん」のなかに何個ありますか?
当然答えは4...ですよね
本当に4...?実はこの単体で発音される「ん」というのと同じ発音を持つ「ん」はひとつしかないのです。それは最後のカンの「ん」です。
http://eikai-wawawa.com/post-923
言語学的にいうと以下のようになります
わんたんめんかん
[n] [m] [ŋ] [N]
というようになるのです。実は最後の「ん」以外は英語の発音と同じなのです!例えば、わんたんめんかんを「た」の前で止めてキープしてみてください。舌は上あごにぴったりついた状態になってますよね。これは英語の[n]の音と同じなんです。
ただこんなこと意識して発音した人はいるでしょうか。いませんよね。でも勝手に無意識に私たちは正しく発音できてしまうのです。なぜか
それは脳が知っているからです。脳がそのように私たちに発音させているからです。
私たちは知らないのに脳は知っている。ただ日本語を母語としない人はもちろんこれを無意識に行うことは出来ません。全部単体の「ん」のように発音してしまう。4つの「ん」全て同じ表記なのに全部発音が違うなんてこれはかなり大変。
おもしろいですね〜(斎藤的にはかなりおもしろい)
では続いての例。
「誓います」と「違います」
この二つはどこが違いますか?
「ちかいます」「ちがいます」
もちろん皆さん、
「か」と「が」違うじゃん!簡単だよ!
その通り。ただもうひとつ違うところがあるのです。
それは、、、
「ち」、、、え?そうなんです「ち」が実は違うんです。
のど仏の辺り、声帯に手を当てて二つを発音してみてください。
「誓います」のときは「か」のところから声帯が揺れますよね。これに対し「違います」のときは?
そうです、「ち」の時点で既に声帯が揺れているのです。
誰も「違います」を言うときは「ち」から声帯揺らすぞ!なんて考える人はいません。笑
なぜならば脳が勝手にやっているからです。
私たちは知らないのに、私たちの脳は知っているのです。
どっちのときは「ち」から声帯揺らすんだっけなんて考える必要はありません笑
おもしろいですね〜(これまた斎藤的にすごくおもしろい)
これを読んで少しでもおもしろいなと思った方は言語学の魅力に取り憑かれるタイプの人だと思います。友人の中にはこの話をしても全く響かない人はいくらでもいます。こっちは熱心に説明してるのにすごくつまらなそう、、、みたいな
言語学者は脳が作り出す言語を通して脳というものの仕組みを理解しようとしているのですね。すごくロマンがありませんか?笑
言語を通して脳の働きを理解する、いい響きだ。
今回の記事は言語学ファンを広げようキャンペーンみたいになってしまいましたね。また何か発信したいと思うような現象があれば投稿します!言語というものはおもしろいですね
ではまた〜