こんにちは
イケメン王宮を今日も攻略中です
それではアラン編です
-----------------
温かな日射しが窓から降り注ぐ、ある日のこと・・・―。
久しぶりにお休みをもらった私は、
いつものお世話をしてくれる若いメイドの女の子と、
身支度を整えながらのおしゃべりを楽しんでいた。
(お城に来てから同年代の女の子と話すことってないから、)
(すごく、楽しい時間だな)
考えているとふと、メイドの女の子の様子がおかしいことに気づく。
「・・・・・・?」
(どうしたんだろう、何だか・・・)
「顔色が悪いみたいだけど・・・・・・」
メイド「少し、風邪を引いてしまったのですが、大丈夫です・・・・・・」
返事を返してくれるものの、その身体はぐらりと揺れ、膝から床に崩れてしまった。
「・・・・・・大丈夫!?」
私は慌てて立ち上がり、メイドの女の子の背中を支える。
するとその時、部屋のドアが叩かれた。
「アラン・・・・・・!」
迎えにきてくれたのか、姿を見せたアランに私は声をあげる。
アラン「・・・・・・・・・」
察したアランが黙ったまま、メイドの女の子を抱き上げてくれた。
「・・・・・・あ」
その瞬間、なぜか小さく胸が痛む。
アラン「おい、どこに運べばいいんだよ」
アランの言葉にはっと顔を上げ、私は急いでドアを開いた。
「とにかく、診療室へ・・・・・・」
診療室からの、帰り道・・・―。
私は一人廊下を歩きながら、
倒れてしまったメイドの女の子のことを考えていた。
(小さな弟がいるから休めないって以前に聞いたことがある・・・・・・)
「・・・そうだ」
私はふと足を止め、眩しさに目を細めながら窓の外を見やる。
(日ごろのお礼に、今日だけ私が代わりに働こうかな)
城下に買い物に出かけようと考えていた私は、
ついてきてくれるはずだったアランに、用事が出来たと話をしていた。
「ごめんなさい、アラン」
(アランにメイドになるなんて言ったら、反対されるかもしれないから・・・・・・)
アラン「・・・・・・・・・」
黙ったまま私の話を聞いていたアランが、低く呟く。
アラン「・・・他の用事、ね」
私の顔を覗きこみ、アランが目を細めた。
アラン「お前、何か隠してねえだろうな」
その言葉にわずかに鼓動を跳ねさせながらも、私は口を開く。
「大丈夫だよ、心配しないで」
アラン「・・・・・・・・・」
私が浮かべた微笑みに、アランがますます眉を寄せた・・・。
何とかアランに説明を終えた私は、メイド服に着替えていた。
布を頭から被り、私は顔をうつむかせる。
(気づかれないよね・・・・・・?)
こっそりと、持ち場である中庭までやって来た。
掃除道具を広げながら、私は人の気配がないことにほっと息をつく。
(まだそんなに顔を知られていないはずだから、)
(きっと大丈夫だよね・・・・・・)
考えながら掃除を始めると、ふと訓練の声が聞こえることに気がついた。
(アランの声がする・・・・・・?)
私は顔を上げ、視線を闘技場の方へと寄せた・・・。
そっと覗き込むと、そこには一人訓練をするアランの姿があった。
(格好いいな・・・・・・)
その姿に勇気づけられ、私は箒を持つ手に力を込める。
(私も、頑張らなくっちゃ)
考えていると、アランとふと目が合ってしまう。
アラン「・・・・・・・・・」
眉を寄せじっと見つめられ、私は急いで視線をそらした。
(・・・・・・!)
慌ててその場を去ろうとすると、後ろから低い声で呼びとめられる。
アラン「おい」
「・・・・・・あ」
恐る恐る振り返ると、
そこには怒ったような表情を浮かべるアランが立っていた。
アラン「何してんだ、お前。・・・用事って、それかよ」
「・・・・・・っ」
アランに呼び止められ、私は足を止めた。
心臓はいつのまにか早鐘を打っている。
(もう、ごまかせないよね・・・・・・)
頭から被っていた布を取り、私はゆっくりと振り返った。
「・・・・・・どうして、私だってわかったの?」
アラン「わかるに決まってんだろ」
呆れたように息をつき、アランが私をじっと見る。
アラン「・・・で?何してんだって聞いてんだけど」
「あ、あの・・・・・・」
ゆっくりと歩みよるアランに、私は慌てて説明をした。
「・・・・・・というわけで、今はメイドとして・・・」
アラン「・・・・・・・・・・・・」
すると目の前に立ったアランが、睨むように目を細める。
アラン「だから、何でプリンセスがそんなことやってんだって聞いてんだよ」
「・・・・・・いつもお世話になっているから、こういう時くらいお返しがしたくて」
告げると、アランが長く大きなため息をついた。
そして手を伸ばし、箒を持つ私の腕をつかむ。
「え・・・・・・!?」
手を引かれるまま、私は歩きだすアランの後を追った。
「待って、アラン・・・・・・!」
アランに強引に腕を引かれるまま、私は中庭へとやって来ていた。
「待って、アラン・・・・・・!」
アランの顔を見上げ、私は尋ねる。
「どこに行くの?私、まだお掃除が・・・・・・」
アラン「着替えてこいよ」
「え・・・・・・っ」
アランの言葉に、私はぴたりと足を止めた。
(それって、メイドとして働くなってことだよね・・・・・・)
アラン「・・・・・・おい」
私の様子に気づき、アランも同じように足を止め振り返る。
「あの、アラン・・・・・・」
掴まれたままの腕を熱く感じながらも、私はアランを見上げた。
「お願い、アラン。今日一日だけ・・・・・・約束したの」
アラン「・・・・・・・・・」
ため息をついたアランの指先が、私の腕から離れていく。
そして顔を背けると、眉を寄せたまま告げた。
アラン「・・・・・・勝手にしろ」
「あ・・・・・・」
慌てて口を開こうとした瞬間、後ろから明るい声が響いてくる。
???「あれ。こんなところで、どうしたの?」
(この声は、もしかして・・・・・・)
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つづきます
イケメン王宮を今日も攻略中です
それではアラン編です
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温かな日射しが窓から降り注ぐ、ある日のこと・・・―。
久しぶりにお休みをもらった私は、
いつものお世話をしてくれる若いメイドの女の子と、
身支度を整えながらのおしゃべりを楽しんでいた。
(お城に来てから同年代の女の子と話すことってないから、)
(すごく、楽しい時間だな)
考えているとふと、メイドの女の子の様子がおかしいことに気づく。
「・・・・・・?」
(どうしたんだろう、何だか・・・)
「顔色が悪いみたいだけど・・・・・・」
メイド「少し、風邪を引いてしまったのですが、大丈夫です・・・・・・」
返事を返してくれるものの、その身体はぐらりと揺れ、膝から床に崩れてしまった。
「・・・・・・大丈夫!?」
私は慌てて立ち上がり、メイドの女の子の背中を支える。
するとその時、部屋のドアが叩かれた。
「アラン・・・・・・!」
迎えにきてくれたのか、姿を見せたアランに私は声をあげる。
アラン「・・・・・・・・・」
察したアランが黙ったまま、メイドの女の子を抱き上げてくれた。
「・・・・・・あ」
その瞬間、なぜか小さく胸が痛む。
アラン「おい、どこに運べばいいんだよ」
アランの言葉にはっと顔を上げ、私は急いでドアを開いた。
「とにかく、診療室へ・・・・・・」
診療室からの、帰り道・・・―。
私は一人廊下を歩きながら、
倒れてしまったメイドの女の子のことを考えていた。
(小さな弟がいるから休めないって以前に聞いたことがある・・・・・・)
「・・・そうだ」
私はふと足を止め、眩しさに目を細めながら窓の外を見やる。
(日ごろのお礼に、今日だけ私が代わりに働こうかな)
城下に買い物に出かけようと考えていた私は、
ついてきてくれるはずだったアランに、用事が出来たと話をしていた。
「ごめんなさい、アラン」
(アランにメイドになるなんて言ったら、反対されるかもしれないから・・・・・・)
アラン「・・・・・・・・・」
黙ったまま私の話を聞いていたアランが、低く呟く。
アラン「・・・他の用事、ね」
私の顔を覗きこみ、アランが目を細めた。
アラン「お前、何か隠してねえだろうな」
その言葉にわずかに鼓動を跳ねさせながらも、私は口を開く。
「大丈夫だよ、心配しないで」
アラン「・・・・・・・・・」
私が浮かべた微笑みに、アランがますます眉を寄せた・・・。
何とかアランに説明を終えた私は、メイド服に着替えていた。
布を頭から被り、私は顔をうつむかせる。
(気づかれないよね・・・・・・?)
こっそりと、持ち場である中庭までやって来た。
掃除道具を広げながら、私は人の気配がないことにほっと息をつく。
(まだそんなに顔を知られていないはずだから、)
(きっと大丈夫だよね・・・・・・)
考えながら掃除を始めると、ふと訓練の声が聞こえることに気がついた。
(アランの声がする・・・・・・?)
私は顔を上げ、視線を闘技場の方へと寄せた・・・。
そっと覗き込むと、そこには一人訓練をするアランの姿があった。
(格好いいな・・・・・・)
その姿に勇気づけられ、私は箒を持つ手に力を込める。
(私も、頑張らなくっちゃ)
考えていると、アランとふと目が合ってしまう。
アラン「・・・・・・・・・」
眉を寄せじっと見つめられ、私は急いで視線をそらした。
(・・・・・・!)
慌ててその場を去ろうとすると、後ろから低い声で呼びとめられる。
アラン「おい」
「・・・・・・あ」
恐る恐る振り返ると、
そこには怒ったような表情を浮かべるアランが立っていた。
アラン「何してんだ、お前。・・・用事って、それかよ」
「・・・・・・っ」
アランに呼び止められ、私は足を止めた。
心臓はいつのまにか早鐘を打っている。
(もう、ごまかせないよね・・・・・・)
頭から被っていた布を取り、私はゆっくりと振り返った。
「・・・・・・どうして、私だってわかったの?」
アラン「わかるに決まってんだろ」
呆れたように息をつき、アランが私をじっと見る。
アラン「・・・で?何してんだって聞いてんだけど」
「あ、あの・・・・・・」
ゆっくりと歩みよるアランに、私は慌てて説明をした。
「・・・・・・というわけで、今はメイドとして・・・」
アラン「・・・・・・・・・・・・」
すると目の前に立ったアランが、睨むように目を細める。
アラン「だから、何でプリンセスがそんなことやってんだって聞いてんだよ」
「・・・・・・いつもお世話になっているから、こういう時くらいお返しがしたくて」
告げると、アランが長く大きなため息をついた。
そして手を伸ばし、箒を持つ私の腕をつかむ。
「え・・・・・・!?」
手を引かれるまま、私は歩きだすアランの後を追った。
「待って、アラン・・・・・・!」
アランに強引に腕を引かれるまま、私は中庭へとやって来ていた。
「待って、アラン・・・・・・!」
アランの顔を見上げ、私は尋ねる。
「どこに行くの?私、まだお掃除が・・・・・・」
アラン「着替えてこいよ」
「え・・・・・・っ」
アランの言葉に、私はぴたりと足を止めた。
(それって、メイドとして働くなってことだよね・・・・・・)
アラン「・・・・・・おい」
私の様子に気づき、アランも同じように足を止め振り返る。
「あの、アラン・・・・・・」
掴まれたままの腕を熱く感じながらも、私はアランを見上げた。
「お願い、アラン。今日一日だけ・・・・・・約束したの」
アラン「・・・・・・・・・」
ため息をついたアランの指先が、私の腕から離れていく。
そして顔を背けると、眉を寄せたまま告げた。
アラン「・・・・・・勝手にしろ」
「あ・・・・・・」
慌てて口を開こうとした瞬間、後ろから明るい声が響いてくる。
???「あれ。こんなところで、どうしたの?」
(この声は、もしかして・・・・・・)
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つづきます