両手握手は大げさすぎる
『Voice』誌の2月号に、勢古浩爾氏の「両手握手はみっともない」というエッセイが載っていた。リードには「両手で相手を包み込む両手握手は、宗主国の人間に植民地の人間が謁見するようで、見ていてはずかしい」とある。
常日頃から私も同じように感じていた。とくに、仕事でドイツを訪れた若い日本人女性が、取引先のドイツ人男性にそれをするのを見たりすると、「ああ! 先に注意してあげるべきだった」と後悔もした。
ただ、こういうちょっとした習慣のようなことについてアドバイスするのは、実は結構難しい。書くとなると、さらに難しい。
日本人によくある行動で、ヨーロッパでタブーと言えることの一つに、「鼻をすする」というのがあるが、以前、他のWEBのコラムでちょっとそれに触れたら、書き込み欄で反発があったので、正直言って驚いた。
こういうことを書くと、「川口マーン惠美は自分がヨーロッパにいることを鼻にかけて、つまらぬことをほざく鼻持ちならぬやつ」というふうに受け取る人がいるらしい。
確かに、つまらないといえばつまらないことだが、郷に入っては郷に従え。ヨーロッパ人も、日本のお寺を見学しようと思えば、靴を脱がなければならない。それと同じで、日本ではしょっちゅう遭遇する何ということない行為が、他国では人をびっくりさせたり、大変不快な気分にさせたりということはありうるのである。
それらすべてを日本にいる日本人が知る必要はないが、他国に行って人と接するとき、知っておいて損はないことも確かにある。
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