TPP参加問題について今朝の新聞各紙で取り上げられている。自民党、民主党それぞれの中でも意見は割れている。現時点で、私なりの見解を記しておきたい。
国家の行く末を左右しかねない重大な決断を迫られているにしては、国民的議論も理解も進んでいない。「バスに乗り遅れるな!」と言うが、そのバスは「どこへ向かうのかわからない」のが現状である。
日本の国益を守るのが保守派政治家として常に心がける事柄である。TPP推進派の主な主張は「日本は貿易立国であるから関税が撤廃されることは日本の輸出産業にとって有利である」と言うことであろう。
しかしアメリカのグローバル化戦略の中で、アメリカの国益に合致するからこそこれを進めようとしているのであって、決して日本の利益のためではない。
調べてみると、TPPに参加している9カ国と日本を加えた10ヵ国のうち、日本とアメリカだけでだけで国内総生産でみれば9割を占める。だから日本の輸出先はアメリカしかなく、アメリカの輸出先は日本しかない。
では、TPPに参加すると日本からアメリカへの輸出が飛躍的に伸びるかと言えば、自動車の関税は2.5%、電化製品は0~5%である。これが0になってどれだけ日本にメリットがあるのか?逆に、アメリカから日本への輸出は米の関税が778%でありこれが0になる。日本とアメリカと関税撤廃でどちらが得をするかは明白であろう。
アメリカは2014年までに輸出を倍増する戦略を立てており、オバマ大統領は今年の一般教書演説でアジアへの輸出を拡大して雇用を増やすと宣言したが、まさにこの目的を実現するのがTPPである。
韓国に負けてしまうと言う人がいるが、米韓FTAはいまだに批准されておらず(韓国はTPPに加盟していない)、韓国が対米輸出を急増させたのはウォン安のおかげである。ちなみに中国もTPPに加盟していないから、日本が加盟して中国への輸出が伸びることは無い。
TPPに関してアメリカは、24のワーキンググループを通商代表部内に設置している。これは農業だけでなく金融、保険、政府調達、知的財産権、サービス、投資、労働、人の移動などについての規制緩和を求める枠組みである。
医療分野における規制緩和は、営利法人による参入の機会を拡大する。「混合診療」が解禁されれば保険外診療が拡大し所得による医療の格差が生じることになろう。
移民の拡大も、ただでさえ就職難で苦しんでいる日本の労働者、学生から就職の機会を奪う以外のなにものでもない。
農地の流動化によって外国資本が日本の土地を自由に購入できるようになれば、日本の農業にとっても安全保障上も危機的な問題である。
外国の要求に乗せられて国家の主権を放棄するがごときは、平成の開国どころか平成の売国ではないだろうか?
民主党政権は、TPP参加がもたらす功罪を国民的理解が得られるまで充分に説明すべきであろう。
全くその通り! アメリカの圧力に負けているのです。と言うよりオバマの大統領選挙利用にされているだけで日本の国益にはなりません。もっと自民党が声を大きくして反対しなけばなりません。
そうです、その通り!
私自身は製造業ですが、輸出関税の撤廃分など円高に振れれば吹き飛びますよ。
TPPが導入されれば、国内経済が今以上にデフレに振れるでしょう。
問題は農業だけではありません。
アメリカに首根っこ掴まれたままの日本政治ではないはず。気概を見せてほしいです。
(反米を言いながら中国朝鮮にへつらう民主党はもっと嫌ですが・・・)