仲田一平
2016年2月5日05時07分
栃木、群馬、埼玉の3県境の境界点の正確な位置を確認しようと、県境に接する3市町が測量調査をしている。「県境マニア」と呼ばれる愛好家に着目し、新名所として売り出すためだ。「県境」の魅力とは?
この3市町は、栃木県栃木市、群馬県板倉町、埼玉県加須(かぞ)市。明治から大正期の渡良瀬川の改修工事で、河川の上にあった3県境が陸地になったものの、正確な位置は分からないまま。現在は田んぼで、地権者が置いた3県境を示す手作りの看板があるだけだ。
3市町によると、3県境は全国に40カ所以上あるが、大半は山間部や河川にあり、簡単に足を運べる平地にあるのは珍しいという。ネット上で話題になり、テレビ番組で取り上げられるなど、珍しいもの見たさに訪れる人も多い。
境界点の位置は9日に3市町の担当者や地権者らが立ち会って確認する予定。これまで自治体側で県境について議論されてこなかったが、栃木市の住民から「境界の正確な位置や歴史的経緯を知りたい」との要望があったのをきっかけに、県境を越えての動きにつながったという。
3県境を示す杭を打って、モニュメントの設置も検討している。板倉町は県境を紹介する独自のチラシもつくる。町産業振興課は「観光の目玉の一つにしたい」と期待する。
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朝日新聞社会部
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