父親は数日前に自分に発破をかけようと、わざわざ仕事中の昼に電話をしてきた。
「世の中で偉そうにしているやつの顔を見てみろ」と言って、自分を励まそうとしたのだった。
容姿が醜いことにずっと悩んでいる自分を見かねたのだろう。そして、自分に金を稼いで欲しいのだろう。
別に偉そうにしたいのではない。
父親は世の中で偉そうにしたいのかもしれないが、自分は容姿が良い人間になりたい。
周りからの性愛、あなたたちもするほぼ無条件の肯定、自信が欲しい。
脂や膿でぐちゃぐちゃになる皮膚では本当は死んだほうがマシなのだ。
「お前が持つ資産で、靡かない女はいない」と夜には父が言った。
資産でなくて、体で愛されたい。
金があるときは容姿の良い人間に搾取されて、金が無くなったらゴミ扱いされるのは屈辱だ。
なんとなく世間が言う男女平等などが響いている気もするが、そのようなことを言うと一見理論的に見えるが結局のところ「失せろ グロメン」などという意味の救いのない言葉を自分は投げつけられるのだろう
とにかく希望が欲しい。