(曜子)あ〜!
(曜子)ハァハァ…。
あっ!あっ!
(爆発音)
(曜子)キャ〜!
(凛)いくら暇だからって熟読し過ぎですよね。
(幸子)何かねぇ恋しちゃったみたいよ。
ねぇ来宮。
(薫子)恋!?
(来宮渚)この前痴漢が続出してるって図書館に捜査に行ったら…。
(峰岸雪乃)来宮何サボってんの帰るよ
(三岡)あ…あ…すいませんいえ僕この本好きで何度も読んでるんで…私も学生の頃に読んで懐かしいな〜って
(三岡)どうぞあっすいません
(三岡)このシリーズ初めて読んだの高校生の時でした私もです!フフ…ウフフ…僕は次借りるんで峰岸さんってホント分かりやすい。
(凛)あるんですね〜今どきそんな古典的な出会い。
(薫子)映画みたいじゃん。
(幸子)楽しそう!
(ベル)はい七課あっ課長はい。
水川公園人工池で変死体。
はいはい…。
行くよ!
(幸子)被害者は女性。
先生解剖になると思うので。
OK!スタンバイしとく。
はい…分かりましたはい。
被害者は柴田曜子さん41歳。
先端科学研究所に勤務する女性研究者。
死因は現在特定中。
(凛)あっまた彼氏来てますよ。
(菊池)すいませんすいません。
(菊池)渚〜!彼氏じゃないから。
どこで情報聞きつけた?いや〜俺の渚レーダーがさ…。
このストーカー。
来宮聞き込み行くよ。
(カメラのシャッター音)
(道野辺)深夜の2時すぎバイト帰りにここを通るんです。
爆発音
(道野辺の声)結構大きな爆発でしたけど逃げて行く人影見たんでいたずらかと思ってそのまま家に帰りました。
(北条)人影というのは男性ですか?それとも女性?
(道野辺)遠かったし…黒っぽい上着を着てたくらいしか…。
ありがとうございました君。
(警察官)はい。
ちょっと話はまだ…。
(北条)被害者の周辺情報をお願いします。
それと破損した携帯電話のデータ復旧をあとそれから…。
(黒田)課長火薬や発火装置の類いは見当たりませんでした。
がちょっと…。
見ての通り水中に固定されてます。
変形具合からこの中に何らかの爆発物が入っていたようです。
持ち帰って爆発物の特定…。
科捜研に回してください。
(東野)課長立ち去った人物がいた辺りにこれが落ちてました。
珍しいデザインですね。
案内してください。
(東野)はい。
ここです。
なるほどここからやと被害者…。
(黒田)おいあいつまた…。
来宮!うっ!来宮!うっ。
うぅ…。
ハァハァ…。
うっ!ハァハァ…。
「このお金で幸せになれるもっとお金を…」。
来宮!うぅ…。
ようやくお目覚め?解剖?終わったよ。
あぁ!臭っ!ちょっと!
(凛)何でこんなとこで…!ヤダもう!あ〜…OK!始めるよ。
死因は爆圧による肺および脳挫傷。
でも体内から爆薬の類いは検出されなかった。
現場でも火薬や発火装置の類いはなかった。
どういうこと?水に反応して爆発を起こす化合物があります。
池の中にあった金庫が水中に固定されてた。
その中に化学物質が入ってて被害者が水中でそれを開けた。
その結果急激な化学反応によって爆発を起こした可能性があります。
それから体内からクロロニコチニル系の薬品と有機リン系の農薬の成分が出たよ。
量は少ないから死因とは関係ないと思うけど。
来宮が倒れる前に言った。
「このお金で幸せになれる。
もっとお金を…」って。
何のことだろう。
フフ…あれ?峰岸さん何げに信じてます?え?あ…別に!
(薫子)え〜?またまた…!信じてない!信じてないよ!彼女誰かに貢いでたのかもしれない。
(堂ヶ島)柴田君のことは残念でした。
量子ビームをがん治療に生かす研究で若手の中では頭角を現していたので。
早速事件当日のことを伺いたいのですが…。
実はそのことなんですがね…。
(ノック)はい。
すみません遅くなりました。
あ…この前の…。
あぁ!えっ?警察の方だったんですか?
(堂ヶ島)刑事さん。
あいにく私はあの時名古屋に出張しておりまして。
あとは部下の三岡君に…柴田君とは同期です。
確かあの時もみんなで宴会だったんだよね?ええ。
研究室にもう1人同期がおりますのでどうぞ。
はい失礼します。
(堂ヶ島)あっ三岡君今日はゼクスウントツヴァンツィヒかな?はいそうです。
(堂ヶ島)ありがとう。
こちらへ。
あの夜は森沢の送別会だったんです。
退社されるんですか?
(由美子)ええ今月いっぱいで。
送別会で柴田曜子さんに何か変わったことは?あの夜は柴田はお酒を全然飲まなくて…。
柴田デートの後で顔を出してくれたんですけど彼ともめたのかも。
普段は底なしなのに体調悪いからってずっとお茶で。
その方の名前ご存じですか?確か一級建築士だとか言ってたけど柴田婚活しまくってていろんな人いたしね。
婚活…。
送別会は何時頃まで?終電ギリギリで確か12時半ぐらいだったかな…。
柴田大丈夫か?顔色悪いぞ
(曜子)大丈夫タクシー呼ぼうか?いい寄るとこあるからえ?それが事件現場の公園だったんでしょうか?
(三岡)いや…分かりません。
「殺されて当然自業自得」。
…って思ってますよね?来宮!すいません。
あ…。
フフっ。
(由美子)辞めるから言いますけど柴田はずるくて平気でひとを陥れるような人間だったんです。
彼女を恨んでる人結構多いと思いますよ。
(三岡)森沢。
(由美子)いずれ分かることでしょ。
良美のことだって。
良美って?私達の同期の相馬良美が1年前の1月22日自分の誕生日の日に突然失踪したんです。
(由美子の声)彼女は同期で一番優秀な研究者でした。
「誰も達成できない結果を出して後輩の女性達が研究しやすい職場にしたいの」っていつも話してた。
もともと堂ヶ島教授は良美の研究を評価してたんです。
でも柴田が参加するようになって「どんなに頑張っても教授のお気に入りの柴田には勝てない」って。
お気に入りというのは?
(三岡)堂ヶ島教授は柴田の研究を評価していたんで…。
じゃあちょっと私引き継ぎがあるんで。
お忙しいところありがとうございました。
いえ。
じゃあ私達もこれで。
すいません。
森沢は子育てと仕事の両立が難しくて退職することになったんで…。
我々の職場もまだまだ女性には働きにくい場所なのかもしれません。
警察も同じですからよく分かります。
でも誰かが動かないと何も変わりませんもんね。
(三岡)ステキですそういうふうに考えられる方って。
いえ私は…。
あ…明日本返します。
(三岡)これありがとうございました。
いえ。
(三岡)たまに読みたくなるんですよ。
私もこの作者好きです。
そうだ『完全探偵』って知ってます?シリーズ化されてないんですけど…。
ちょっと待ってくださいねえ〜と…。
あっ。
これ…あ〜っ!
(三岡)あっ…。
あ…。
大丈夫ですか?あ…大丈夫です。
僕も好きです。
え?
(三岡)『完全探偵』。
趣味が合いますね。
初版本には確かヒントページが付いてて一度読んでみたいと思ってたんですよ。
あります!それ…家にあります。
(黒田)・何やて?・
(東野)あの峰岸さんが?
(薫子)出会っちゃったみたいよ。
運命の人に。
(瀬川すみれ)失礼します。
結婚もあるかも。
(黒田:東野)結婚!?一課長始めましょうか。
では最後に合同捜査している七課の皆さんどうぞ。
はい。
ケータイの修復はまだですが被害者はクラウドサービスを利用していたのでそこから電話帳を入手しました。
柴田曜子は同時進行で5人の男性と交際していました。
5股!?一週間は7日なのに5人なんて半端だよね。
君は曜日ごとに男おるんか?7股!?・七課だけに…・
(せき払い)
(せき払い)
(北条)続けてください。
結論ですが5人中4人はシロでした。
残りの1人は?成川和人という一級建築士です。
同僚の話だと彼が本命だと思います。
どうして本命だと分かったんですか?彼女は急に建築の話をするようになったそうです。
それだけが裏付けか?弱いな。
柴田曜子のクレジットカードの支払いリストに有名建築家がデザインしたホテルが定期的に登場しています。
本命じゃないと女はホテル代払わないよ。
成川はケータイを解約しておりまた成川和人という一級建築士自体登録名簿に存在しませんでした。
柴田曜子の記録にも顔写真やその他手掛かりになりそうなものは残っていませんでした。
ということは…。
アカサギ。
被害者は結婚詐欺に遭っていたと考えられます。
我々七課がこの事件の捜査に役立つことはご理解いただけたかと思います。
合同捜査どうぞよろしくお願いします。
期待しています。
ウフフ…。
すみません思ったより遅くなってしまって。
いえありがとうございます。
お休みの日にわざわざ。
いえ。
あ…あの…柴田曜子さん結婚詐欺に遭われていた可能性がありましてあの…お金が必要とか言ってませんでしたか?彼女のプライベートなことはちょっと…。
すいません。
いえ。
あの…。
あの…。
(着信音)どうぞ出てください。
(着信音)すいません。
(着信音)
(着信音)はいお母さん?
(峰岸静子)急に板橋のおばさんから歌舞伎に誘われたから雪ちゃんの顔見て帰ろうか…。
(静子)あぁ〜!え!?え…お母さん!?ん?痛ててて…。
お母さん!大丈夫?ちょっと!あぁ雪ちゃん。
あっあの…仕事関係の方でここまで送ってくださったの。
三岡です災難でしたね。
まぁまぁ!雪乃…。
雪乃の母でございます。
じゃあ車までお送りしますどうぞ乗ってください。
三岡さん!そんなことまで…。
すみませんねぇ。
ちょっとお母さん!やめてよ!
(三岡)ハァハァ…。
じゃあ僕何か温かいものでも買って来ます。
すみません。
雪ちゃん!ヤダもう!何やってんの?優しくていい人じゃない!私うれしくて…。
違うって!三岡さんは捜査協力者でね…。
でも彼女いないって言ってたわよ?ちょっといつの間に?もうお母さ〜ん!もう…。
ホント?ホント。
雪ちゃんのことを仕事熱心でステキだって言ってた。
あの人きっと雪ちゃんに気があるわ!ウフフ…!お茶でいいですか?
(静子)ありがとうございます。
峰岸さんのも。
(静子)ありがとうございます。
曜子さんとはよく一緒に合コンに行かれたんですよね?
(美香)ええ成川さん超イケメンで私が先に目付けたのに曜子さんが横取りしたんです。
いきなり1000万円も貢いで。
1000万円!?
(美香)彼その頃新事業の出資者を集めてて曜子さん1000万円出資したんです。
このライター見覚えありませんか?成川さんのですね。
ケーニヒの限定品だって自慢してた。
成川さんの写真お持ちじゃないですか?ないです成川さん写真が嫌いで…。
あぁ写真といえば曜子さん亡くなった日の昼間こんな写真を送りつけて来たんです。
成川さんの畑だって。
畑?
(凛)龍の絵が描かれた建物。
この写真を撮った成川和人は自分が詐欺師だとバレて柴田曜子を殺した。
それはどうですかねぇ?化学物質の爆発だったら知識も入手するつても必要ですから。
直接手を下さずに爆発という派手な方法を用いてる。
犯人はIQの高い人間。
神経を使う精密な仕事に従事していてその反動で大規模な破壊衝動に向かう傾向がある。
詐欺師とは人物像がかけ離れてる。
早く成川を捕まえないと…。
失礼します。
成川和人らしき男にだまされた結婚詐欺の被害者達からの情報を基に作った似顔絵です。
チャラそうな男。
伊東さんこれうちの地元の守り神「まもる君」です。
よかったら。
あ…伊東さんのイニシャル「R.I」も入ってます。
ありがとう…。
失礼します。
ん?ねぇ…ちょっ…!
(幸子)何?
(キーボードをたたく音)
(キーボードをたたく音)
(凛)これでどうだ!
(キーボードをたたく音)ビックリだよ〜!他人が自分家の畑で作業してたなんて。
この人息子さんじゃないんですね?息子はみんな俺と同じ顔してるからフフフ…。
これ見てください!
(男性)あれ?それうちで買った薬と違うなぁ。
柴田曜子の体内から出た薬品?はい。
そういえばクロロニコチニル系の農薬と有機リン系の農薬を併用して吸引してしまうと不整脈になったり頭痛や発熱の症状が出ます。
柴田曜子が殺された夜具合が悪かったのはこの2つの薬品を同時に嗅いだせい…。
殺害計画はここから始まっていたのかもしれない。
(着信音)はい。
え?
(黒田)成川和人本名金沢卓郎。
このライターあんたのやな?
(金沢)そうですよだけど俺は曜子を殺してないよ。
あいつ結婚結婚うるさくて。
あの農薬は具合悪くなるのを知ってて嗅がせたの!弱ったところを石段から突き落として入院でもすればしばらく会わずに済むかと思ってさ。
(机をたたく音)女を何だと思ってんの!曜子はいい金づるだったんだ。
「パトロンから金ならいくらでも引き出せる」って言ってたし。
(幸子)パトロンって誰?え〜?何だっけ…裏山で言ってたんだよ。
裏山ってどこ?研究所の裏。
そこでジロウだかガジロウだかがどうとかって言っててさぁ。
ガジロウ?
(金沢)俺曜子の上司の教授がやったんじゃないかと思うんだよね。
曜子のヤツそいつと不倫してたからさぁフフフ…。
なるほどお気に入りってわけね。
殺したりなんかしないよ。
俺にとって女はかわいいATM。
ふざけるな!峰岸!
(凛)金沢の周辺を洗いましたけどあいついろいろときな臭いですね。
裏社会とのつながりもあるし爆発物もそっちルートで手に入るだろうし。
ホントはケガだけじゃなく殺す気だったかもね。
けど証拠は何もない。
ガジロウか…。
(幸子)なるほどね。
ガジロウ…ミスター先端科学堂ヶ島児次郎のことかもね。
確かに引っ掛かるあの教授。
・おはようございます・
(堂ヶ島)おはようございます。
ワダ君そろそろ結果が出てもいい頃じゃないの?はい来週までにはお持ちします。
(堂ヶ島)よろしく。
何よ?
(堂ヶ島)あっ三岡君。
今日はドライスィヒかな?
(三岡)そうです。
(堂ヶ島)ありがとう。
峰岸さんおはようございますいらしてたんですね。
あの…柴田曜子さんの出張記録を見せていただきたくて。
事務棟にあると思います案内しましょうか?あ…大丈夫ですありがとうございます。
あの…ドライスィヒって何ですか?ドイツ語の数で30です。
教授はドイツ語を忘れないように時々確認されるんです。
堂ヶ島教授の出張にはほとんど毎回亡くなった柴田曜子さんが同行されていますね?出張ぐらいで不倫を疑われてはね…。
でも柴田曜子さんをえこひいきしてたんですよね?私はね!どの研究員も平等に評価しています。
相馬良美さん。
頑張っても教授がお気に入りばかりえこひいきするんじゃ失踪したくもなるか…。
来宮!外出しますんで…お引き取りください。
これ以上犯人扱いするなら正式に警視庁に抗議しますよ。
堂ヶ島教授やっぱり何か隠してる。
(三岡)峰岸さん。
あ…三岡さん。
お昼ごはんですか?ええ。
もしまだでしたらご一緒にいかがですか?え?近くにねオムライスがおいしいお店があるんですけど。
お好きですか?あ…好きです。
私は結構です峰岸さんお1人でどうぞ。
じゃあ行きましょう。
すいません。
来宮寄り道しないで帰るのよね?「タチバナ化学」…。
うん!これおいしいです!よかった。
ここのオムライス「幸福卵」っていうのを使ってて食べると幸せになれるって職場のみんなで評判なんですよ。
幸せか…。
周りの友人が結婚したりすると私の幸せってこれでいいのかなって不安になっちゃって…。
不安になることありませんよ。
峰岸さんはお仕事に真っすぐに向き合ってらっしゃるじゃないですか。
幸せって…本当はとてもシンプルなものかもしれないですね。
こうやって好きな人と向かい合ってごはんを食べるとか…フフ。
え?あ…あの…。
「好きな人」っていうのは「ライク」というか…。
ライクですライク…。
峰岸さん。
はい。
2月3日どこかでお会いできませんか?あなたにお伝えしたいことがあるんです。
フフっ。
2月3日何かあるんですか?
(幸子)三岡さんに告白されるみたいよ。
何で2月3日?何だろうね何か節分だし人生の節目をお前と一緒にみたいな?一課が堂ヶ島教授を任意で引っ張りました!
(東野)これは事件当日飲み会の最中柴田曜子のスマホに送られたメールです。
教授のパソコンから送られていましたが?
(堂ヶ島)私はこんなメール知らないな。
あ〜どうもいかんこれがないと落ち着かなくて。
(黒田)ここ禁煙です。
(凛)堂ヶ島教授のパソコンはパスワードがかかっていて他の人間は見ることができないそうです。
(黒田)教授名古屋の南急ホテルを夜の8時に出て朝の6時半に戻ったのが玄関の防犯カメラで確認済みですよ。
(堂ヶ島)あぁ…ホテルの近くで飲んでただけだ。
東京名古屋は車でも片道4〜5時間程度。
往復して柴田曜子を殺すこともできる。
(凛)化学物質も教授なら手に入りやすいですね。
(黒田)話変えましょうか。
随分いろんな女性の部下と親密でいらしたようですね。
柴田曜子さんとも。
(黒田)でしょ?
(幸子)やっぱり教授がパトロンだったか…。
ちょっと!どこ行くの?気になることあるんで。
出て来ないですね〜。
(幸子)堂ヶ島教授が東京に戻った証拠があればね。
研究所に行ってみようか。
(警備員)どうぞ。
手掛かりになりそうなものはないですね〜。
ホントにヘビースモーカーなんだ。
(幸子)しかもこのたばこその辺で売ってるもんじゃないよ。
さすが大学教授。
(ノック)
(ドアが開く音)峰岸さん。
三岡さん。
もしも堂ヶ島教授が逮捕されるようなことになったら三岡さんの研究にも支障が出ますか?直属の上司ですから。
そうなると僕も今まで通りの研究環境を確保できないかもしれません。
でも大丈夫です。
頼まれてたやつ。
薬品会社のタチバナ化学と先端科学研究所の契約の裏資料。
あとは堂ヶ島のことも書いてある。
ん?熱っつ!サンキュー!う〜ん!ねぇ渚どっちが犯人だと思う?堂ヶ島?金沢?さぁね。
ふぅ〜。
なぁ。
心の中読んでやろうか?無理あんたみたいな能天気の無神経には。
「本当はつらい真実になんかふたをしてしまいたい」。
あんこ。
はぁ…。
失踪した相馬良美の日記です。
「Dは私の最高の理解者最も尊敬する存在だ」。
(幸子)この「D」って堂ヶ島のこと?まだ分からないそしてこれが失踪前日の日記。
「明日Dをあの場所に呼んで結婚したいと言おう」。
この日記によるとDは相馬良美と秘密の恋愛関係だった。
そして彼女は失踪した日Dに会っていた。
実は教授は相馬良美と付き合っていて結婚を迫られていた可能性もある。
相馬良美はもう死んでると思います。
彼女が身を削って取り組んでいた論文は完成目前だった。
しかも…。
結婚式場まで申し込んでいた。
(幸子)そんな人間が失踪なんかするはずない。
あの場所…。
あの場所?あ〜良美はいつもDと「あの場所」っていう秘密の場所で会ってるね。
峰岸さん!一課の捜査で金沢が…。
(金沢)曜子とはもめたでも殺してなんかない。
きっと上司の教授ゆすって金引っ張り過ぎて殺されたんだよ。
あいつ言ってたんだよ裏山の桜の木の下で。
桜?
(金沢)そう。
確か…「あれが桜の木の下に埋まってるなんてまさにガジロウの世界。
あれがある限り私はお金に困らない」…って言ってたんだよあいつ。
これ…ガジロウじゃなくて梶井基次郎なんじゃないかな?梶井基次郎って誰ですか?昔の文豪。
「桜の木の下に死体が埋まってる」で始まる有名な作品があるの。
(幸子)死体?
(幸子)こんな所に相馬良美の死体があるんですかね?死体がここにあれば全てがつながるの!来宮!遅い!ちょっと何で着替えてないの?はい!長靴履いて!見ておいてください。
堂ヶ島教授のあの夜の足取りです。
ちょっと何これ。
それからこれも。
裏が取れたんで。
どういうこと?うっ…ハァ…。
うっ…ハァ…。
(堂ヶ島)今日はゼクスウントツヴァンツィヒかな?うっ!
(金沢)「あれが桜の木の下に埋まってるなんてまさにガジロウの世界」うっハァハァ…。
うっ!ドイツ語の数で30ですハァハァ…うっ。
「明日Dをあの場所に呼んで結婚したいと言おう」ハァ…うっ!ハァハァ…。
「あなたのためなら全て捨てられる」。
(薫子)あっ!
(幸子)大丈夫?うわ〜!本当にあった!あっ!シンクロしました私。
(ドアが開く音)こんばんは三岡さん。
これ峰岸さんのパソコンから私が送りました。
あの日あなたが教授に成り済ましたみたいに。
堂ヶ島教授はあなたに今日の日にちをドイツ語では何て言うか頻繁に聞いていました。
あなたはその言葉が毎日変更される教授のパスワードだと気付いたんですね?
(凛)でも教授にはアリバイがありました。
癒着相手と会ってたんです。
それとあなたの口座から合計1000万円が引き出されてました。
あなたは柴田曜子さんに脅されていた。
相馬良美さんを殺したことを知られて。
良美は失踪してるんです。
(ドアが開く音)
(幸子)いいえ。
相馬良美さんは亡くなってますよ。
何を言ってるんですか失礼します。
研究室の裏山から死後1年経過した遺体が発見されました。
舌骨と甲状軟骨の骨折があったので恐らく首を絞められて殺された。
解剖の結果相馬良美さんでした。
これは相馬良美さんの日記です。
この中に出て来る良美さんの恋人Dはドイツ語でドライを指している。
ドライは数字の3。
Dは三岡さんあなたです。
お願いします2月3日まで時間をください。
そうすれば良美の書きかけの論文を僕が仕上げて良美の論文として発表できる。
2月3日が締め切りなんです!今僕が彼女にできるのはそれだけなんです!
(ドアが開く音)峰岸。
論文を仕上げて私に自首するつもりだったんですね?はい。
どうして相馬良美さんを殺害したんですか?1年半ほど前良美は頻繁に教授に質問に行くようになりました。
僕は良美を問いただしました。
(良美)まさか質問に行ってるだけよ良美の研究は教授の専門外だろ?早く結婚しますって言えるように早く結果を出さなくちゃ…ね
(三岡の声)その後も良美は教授に質問をやめませんでした。
そして日々疑念を募らせながら半年が過ぎました。
何で教授の出張に良美がついて行く必要があるんだよ!
(三岡)これ…僕の論文の草案じゃないか何でこれ良美が持ってるんだ春樹のパソコンからコピーしたのだってこのままじゃ春樹飼い殺しにされるだけよ!私教授が独占してる情報を持ち出すつもりだったので私がまとめて春樹の論文に使えるように…ウソだ…ウソだ!僕の草案を教授に渡そうとしてたんだろ!春樹!やめて…うぅ…春樹!苦しい…
(三岡)うぅ!
(良美)私あなたのためなら全て捨てられる良美?良美!良美!三岡君?自首して来るいいの?二度と研究職就けなくなるよ死体を隠して失踪したことにしよう私が協力するその代わり…
(曜子)ありがとう三岡君
(三岡の声)そして柴田の要求はエスカレートして行きました。
(曜子)こっそり良美の書きかけだった論文仕上げようとしてるでしょ?その論文私にちょうだいダメだこの論文は良美の名前で発表するこの論文が完成したら僕は自首するへぇ〜!だったら今すぐ全部警察に言うこれで良美の名前も永久に世に出ることはないわねフフフ…!ハハハ…!良美の論文だけは絶対に仕上げないといけないんです。
良美が言ったことは本当だった。
良美は僕のために教授に近づいたのに…。
僕は…。
だからもう柴田を殺すしかないと思って。
(三岡の声)僕はN2000という水に反応する化学物質が入った金庫を人工池に固定しました。
(曜子)うっ!
(曜子)あっ!あっ!このお金で幸せになれるもっとお金を…爆発音
(曜子)キャ〜!「あなたのためなら全て捨てられる」。
良美さんは全てを捨てる覚悟であなたと結婚しようとしてたのに…。
(良美)早く結婚しますって言えるように早く結果を出さなくちゃ…ね春樹の論文に使えるように渡そうって思ってたの
(三岡)ウソだ!
(良美)私あなたのためなら全て捨てられる三岡さん。
あなたが良美さんを信じていれば幸せになれたんです。
僕は…自分の猜疑心から取り返しのつかないことをしてしまいました。
あなたは…幸せになってください。
(手錠をかける音)
(東野)来ました。
(黒田)ご苦労さん。
(幸子)お願いします。
(北条)行くぞ。
知りたいことだけ知って見たいものだけ見て生きて行けたらいいのに。
もしかして慰めてるの?それでも私は真実を知りたい。
さて今日は飲むよ!今夜は私のおごり!
(薫子)Wow!じゃあとっておきのイケメンばかりのバー行く?今日は女だけで飲む!え〜イケメンのバーがいいです!ねぇ?どうでもいい。
(菊池)神藤刑事部長。
(神藤)どこの記者だ?事件は解決しただろ?話すことは何もない。
神藤さん。
狩野勇次って覚えてますか?知らないな。
2016/02/03(水) 22:00〜23:00
読売テレビ1
ヒガンバナ〜警視庁捜査七課〜第4話 愛の悲劇…女性科学者が謎の爆死![字][デ]
池で科学者・曜子(月船さらら)が爆死。勤務先の研究所を訪れた雪乃(檀れい)は研究員・三岡(萩原聖人)に恋してしまうが、渚(堀北真希)は所内のある事件に気づいて…
詳細情報
番組内容
ある公園の池で女性科学者・曜子(月船さらら)が爆死する。現場でシンクロした渚(堀北真希)は、異様にお金に執着する人物の声を聴く。渚と雪乃(檀れい)は、曜子の勤務先「先端科学研究所」に聞き込みに訪れる。そこで雪乃は研究員・三岡(萩原聖人)と出会い、恋してしまう。一方、曜子の派手な男性関係から教授(中原丈雄)や結婚詐欺師(渋江譲二)など次々と容疑者が浮上!果たして事件の真相と、雪乃の恋の行方は…!?
出演者
堀北真希
檀れい
知英
高梨臨
YOU
DAIGO
市川知宏
木本武宏(TKO)
高橋惠子
平山浩行
佐野史郎
大地真央
萩原聖人
中原丈雄
月船さらら
西山繭子
渋江譲二ほか
原作・脚本
【脚本】
荒井修子
監督・演出
【演出】
松永洋一
音楽
菅野祐悟
制作
【チーフプロデューサー】
伊藤響
【プロデューサー】
鈴間広枝
尾上貴洋(AXON)
湯浅典子(AXON)
ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
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