嵐の涙 #04【別の人生…無情に断ち切られた絆】 2016.02.04


(里子)雄介さん。
春子…。
(大造)赤ん坊はどんな状態なんでしょうか?
(医師)お子さんは検査の結果幸いどこにも異常が見当たりませんでした。
事故に遭われたのにホントに奇跡的に無傷です。
今は小児科で預かってもらってます。
(大造)それはよかった。
(医師)男性の方は頭部を強打された影響で記憶を失ってしまってるようです。
(大造)記憶を失っている?
(医師)検査の結果脳の記憶をつかさどる部位の損傷が激しく過去の記憶を取り戻すのは残念ながら難しいかと思われます。
(大造)そうですか。
(医師)カルテを作成したいのですが患者さんのお名前は?ご存じありませんか?
(大造)はっ?
(医師)それではあなたのお名前は?あっ。
私は枝川大造と申します。
(医師)もしかして枝川流のお家元の枝川大造さんですか?はい。
(医師)そうですか。
私の妻が東京の教室に通っておりまして。
このたびはエール文化賞受賞おめでとうございます。
ありがとうございます。
(医師)妻に話したら驚くだろうな。
記憶は戻らないんですか?残念ながら。
そうですか。
彼の名前は藤塚剛太郎君です。
(医師)藤塚剛太郎さん。
私の娘の婿養子になるんです。
(医師)そうですか。
そして赤ん坊は私の娘の子供になるんです。
(大造)君には今から枝川剛太郎として生きてもらう。
決して後悔はさせない。

(ノック)
(看護師)これ患者さんのお洋服です。
(大造)あっ。
ありがとうございます。
まきか?実は藤塚君が事故に遭って入院することになってしまったんだ。
(まき)藤塚さんが事故に?それでご容体は?いや。
大きなケガはなかったんだが過去の記憶をなくしてしまったようで意識が戻りしだいわが家にお連れするから心配しないで待っていなさい。
はい。
雄介さん。
春子…。
過去の藤塚剛太郎さん。
これであなたは地球上から存在しないことになる。
さようなら。
見知らぬあなた。
あなたには新しい藤塚剛太郎となり娘のまきの婿養子になってもらう。
決して悪い話ではない。
これで全てがうまくいく。
雄介さん。
春子!藤塚さん。
初めまして。
私枝川まきと申します。
(剛太郎)枝川まきさんですか?初めまして。
お手紙下さったこと覚えていらっしゃいますか?すいません。
過去の記憶が分からなくて。
藤塚さん。
私の夫になっていただくのよ。
そして私はこのすみれさんのお母さんになるの。
すいません…。
すいません。
ホントに何も分からなくて。
謝ることなんかないわ。
記憶をなくしたのだからしかたがないわ。
でも安心してください。
私はこれから藤塚さんの失った記憶の分だけすてきな未来が送れるように精いっぱい努力いたします。
まきさん。
(泣き声)あっ。
ごめんなさい。
私目が見えないんです。
目が見えないんですか?はい。
高校生のときに交通事故に遭って視力を失ってしまいました。
そうでしたか。
そのこともお忘れでしたよね?ホントにすいません。
そのことを聞いて私のことを嫌いになりましたか?縁談を解消されたいと思われましたか?もしそうなら今はっきりとおっしゃってください。
ホントに何も分からないんです。
ホントにすいません。
でもむしろこんな自分でも受け入れてもらえるんですか?はい。
あなたは視力を失いながらそのハンディを乗り越えて堂々と生きてらっしゃる。
私は記憶を失い今は不安だらけですがこれを宿命として乗り越えなければいけないようです。
枝川まきさん。
こんな自分ですけれどもあらためて私の妻に…。
そしてこの子の母親になってもらえますか?はい。
私はあなたの目となってこれからのあなたを支えます。
ありがとうございます。
まき。
来ていたのか。
はい。
まきの父親の枝川大造です。
あっ。
藤塚君も意識を取り戻してよかった。
まきさんから話はお聞きしました。
そうですか。
それはよかった。
まき。
明日先生の退院の許可が出たら藤塚君をお連れして名古屋へ戻ろう。
はい。
お父さま。
いってまいります。
(弘江)どこ行くつもり?学校へ。
(弘江)夫と子供が行方不明なのに何事もなかったように学校へ行っていつものように平気で授業をするつもりなの?校長先生から電話があって事情を聴きたいから学校に来るようにと。
あなた。
学校から事情を聴かれなければならないようなことしたの?あなた。
やっぱり何かたくらんでるんでしょう?ねえ?たくらんでなんていません。
ちょっと落ち…。
(壮一)里子さんだって一睡もできてないのに学校に呼ばれたから仕方なく行くんだ。
分かってあげよう。
里子さん。
行ってきなさい。
あっ。
すいません。

(ノック)
(校長)はい。
・失礼します。
(校長)ここに座りなさい。
(校長)こちらにいらっしゃるのは教育委員会の方々です。
座りなさい。
(校長)事故のあった直後菅井先生から連絡をもらい病院に駆け付けました。
幸い児童は菅井先生が保護してくれたので全員無事でしたが石原里子先生を除いて先生方は皆流されてしまったと聞いて私たちは大変心を痛めました。
病院で菅井先生から経緯を聞いて私は驚きました。
(校長)リーダーの菅井先生があの場所は以前ゲリラ豪雨のとき鉄砲水が起こった場所だからやめた方がいいとおっしゃったにもかかわらず強引にあの場所に決めたのは石原里子先生あなただったそうじゃないですか。
いいえ。
あの場所は菅井先生が…。
(校長)人のせいにするんですか?それもよりによって命を懸けて児童全員無事に救った菅井先生をおとしめるつもりなんですか?菅井先生はあなたのこともこう証言してくれました。
鉄砲水が来たときはただ一人夫と子供を見捨てて誰よりも先に逃げ出したと。
児童を見捨てて逃げるなど教師としてはもちろん許せるべきことではありませんが夫と生まれたばかりの娘さんまで見殺しにするなど「あなたそれでも人間ですか?」と私は聞きたいですよ。
石原里子さん。
違うんです。
あのう。
私に説明させてください…。
見苦しい。
言い訳など聞きたくありません。
(男性)私ども教育委員会としても今度の事件をどう処分していいか分かりません。
(男性)ニュースでも報道されてしまってどう決着をつけたらこの学校とこの町の教育委員会の潔白を証明できるかを昨日の夜から話し合ってきました。
あなたの責任は重大です。
逃れられるものではありません。
菅井先生は裁判になったときは正々堂々と証言するとおっしゃっている。
あなたに勝ち目はありません。
覚悟を決めることですね。
処分は追ってお伝えしますので自宅待機を命じます。
裁判にまで発展するかは事のしだいを見極めて結論を出します。
以上です。
お帰りください。
お帰りください。
裁判で訴えられてもいい。
何があっても驚いてはいけない
そう覚悟を決め私はいちるの望みを持って春子たちの捜索状況を聞きに警察に向かいました
すいません。
石原里子と申します。
石原雄介と春子の捜索は?
(署員)あれ?ご家族から聞いてないの?春子が見つかったんですか?
(署員)そんな簡単に見つかるはずないじゃないですか。
ご本人じゃなくて遺品が流れ着いたのでご自宅にお電話して取りに来てもらいましたよ。
遺品ってどういうことですか?
(署員)当時着ていたと思われる衣服ですけど身元を特定できたのはジャケットの中にあったお財布の中の運転免許証です。
それなら遺体は?雄介さんと春子の遺体はどこにあるんですか?
(署員)いやぁ。
たぶん流されてしまって見つからないでしょう。
まあ遺品だけでも見つかってよかったと思わないと。
よかったなんて思えるわけないじゃないですか。
何言ってるんですか?ちゃんと捜してください。
雄介さんと春子は生きてるかもしれないじゃないですか。
(署員)冷静に考えてください。
衣服が脱げて海で見つかったんですよ?遺体が見つかるなら同時に見つかってるはずでしょ?正式に捜索は打ち切られました。
それと遺品を取りに来た方に了承を得て死亡したということで手続きを済ませるように進めています。
あのう。
忙しいのでこれ以上は勘弁してください。

(ドアの閉まる音)ただ今帰りました。
校長先生に電話して全て聞きました。
バーベキューをした場所が危険な場所だと知っていて強引にあの場所に決めたのは里子さんあなただったんですってね?学校は裁判も考えてるそうね?当たり前よね。
殺人ですもの。
何で雄介と春子まで殺したんですか?それは違います。
(弘江)言い訳しても無駄です!これがあなたがたくらんでいたことの正体なの?
(弘江)あなたは石原家にとっても学校にとってもホントに疫病神ね。
(弘江)これ雄介と春子の遺品です。
後のことは全て私たちが処理します。
ですから雄介と春子のお葬式が済んだらあなたはこの家から出てってちょうだい。
私は生きてるって信じます。
その服だけでは信じません。
学校があなたを訴えるようだったら私もあなたを正式に警察に告訴します。
ホントにそんなこと思ってるんですか?
(弘江)本当です!あなたを訴えてやる!
(壮一)いいかげんにしないか弘江!部屋に戻りなさい。
はあ。

(ノック)・
(壮一)入っていいかな?はい。
里子さん。
弘江のこと許してくれないかな?弘江は一人息子の雄介と初孫を一度に亡くして気も狂わんばかりにいる。
その原因をあろうことか里子さんに決め付けて里子さんを苦しめることで何とか正気を保とうとしてるんだ。
私は里子さんが悪いなど思っていない。
だから弘江のこと分かってやってください。
はい。
理不尽だと思うだろうがこらえてやってくれ。
お父さん。
私ホントに疫病神なのかもしれません。
私がいるから悪いことが起こってしまうのかもしれません。
お母さまがおっしゃるとおり私と関わるとみんな不幸になってしまうのかもしれません。
あんなに仲の良かったお父さまがお母さまに手を上げたのも私のせいです。
こんな私が未来ある子供たちの先生なんかしていていいはずがありません。
私全て自信がなくなってしまいました。
分からなくなってしまいました。
これ雄介と春子ちゃんの。
《あっ。
ボタンが取れそうだから今針と糸持ってくるね》
(雄介)《ああ。
いいよいいよ…。
これ1日ぐらい》《ほら。
大丈夫だよ。
帰ってきてからお願いするよ》雄介さん。
春子…。
(医師)記憶障害以外は藤塚さんに悪いところはありません。
(大造)そうですか。
記憶はどのくらいで戻るんでしょうか?
(医師)過去の記憶をつかさどる部位の損傷が激しくてもしかしたら一生過去のことを思い出せないかもしれません。
まあ第二の人生を生きると思ってください。
命は取り留めたんですから。
そうですな。
そう…。
2016/02/04(木) 13:25〜13:55
関西テレビ1
嵐の涙 #04[字][デ]【別の人生…無情に断ち切られた絆】

最後の昼ドラは真実の親子愛を描きます。明日は涙か、それとも笑顔か。無情にも断ち切られた親子・夫婦の絆を、運命に翻弄されながら紡ぎ直していく、真実の愛の物語。

詳細情報
番組内容
 大造(竜雷太)に記憶喪失を利用され、剛太郎として生きることになった雄介(宅間孝行)は、婚約者だと紹介されたまき(遠藤久美子)と結婚することに。何も思い出せない剛太郎は、こんな自分でも受け入れてくれるのかと感動の涙を流す。
 一方、夫と娘が生きており他人と入れ替えられているとは知る由もない里子(佐藤江梨子)。なぜ里子だけ助かったのかと義母・弘江(岡まゆみ)から執拗に責められる。
番組内容2
さらに小学校からも事故の全責任は里子にあるとなすりつけられてしまう。唯一里子に味方してくれるのは義父の壮一(柄本明)だけだった。
出演者
石原(遠藤)里子:佐藤江梨子 
石原雄介→枝川剛太郎:宅間孝行 
枝川まき:遠藤久美子 
相田順子:宮地真緒 
遠藤春子:ほの花 
枝川すみれ:舞優
  /  
花井照:いしのようこ 
石原壮一:柄本明 
枝川大造:竜雷太 ほか
スタッフ
【プロデューサー】
市野直親(東海テレビ) 
沼田通嗣(テレパック) 

【演出】
杉村六郎 

【音楽】
富貴晴美 

【主題歌】
MONKEY MAJIK 
「The Mistakes I’ve Made」(binylrecords) 

【制作】
東海テレビ
 / 
テレパック
ご案内
公式サイトやSNSなど、充実のウェブコンテンツは「昼ドラ」で検索!!
【公式サイトURL】
http://tokai−tv.com/namida/
【公式ツイッター】
@hirudoraTokaitv
【公式LINE@】
hirudora、YouTube

東海テレビ公式チャンネルも好評配信中!

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

OriginalNetworkID:32724(0x7FD4)
TransportStreamID:32724(0x7FD4)
ServiceID:2080(0x0820)
EventID:40609(0x9EA1)

カテゴリー: 未分類 | 投稿日: | 投稿者: