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 今年のユネスコ(国連教育科学文化機関)世界文化遺産への登録を目指してきた「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」(長崎、熊本両県)について、文化庁などが推薦を取り下げる方向で検討していることが分かった。同庁幹部が4日、明らかにした。1月下旬にユネスコの諮問機関、国際記念物遺跡会議(イコモス)から届いた中間報告で、推薦書の練り直しを提案されたためという。

 「長崎の教会群」は、16世紀以来の日本におけるキリスト教の受容過程を示す遺産群として、長崎市の「大浦天主堂と関連施設」など14資産で構成する。

 政府は昨年1月、閣議了解を経て推薦書をユネスコに提出。今年5月、イコモスが評価結果をもとに登録すべきかどうかを勧告し、7月にイスタンブールで開かれる世界遺産委員会で登録の可否が決まる予定だった。

 イコモスの専門家による現地調査は昨年9~10月にあった。翌11月のイコモスによる討議の場で、同席した文化庁の担当者らが推薦書の内容についてやりとりした際、厳しい指摘があった。中間報告は、教会群の顕著で普遍的な価値は認めた上で、個々の構成資産が評価基準を満たしているかどうかの証明が不十分であると指摘。長い禁教の歴史の中で信仰を守ってきたことに焦点を絞る形で推薦書を改めるよう提案されたという。(佐々波幸子)