フラジャイル #04【長瀬智也主演!僕の診断が患者を救う!!】 2016.02.03


(森井)
ここに1つの病変の組織がある
1人より2人2人より3人の病理医が診断すればそれだけ診断の精度は上がるのだろうか
答えは
(綾)パパ!
(綾)パパは?・
(春香)綾。
(綾)あっママ。
(春香)すみません。
ねえ綾静かにね。
病院は具合の悪い人が来てるから。
おじさんどこか悪いの?綾。
もうすみません。
(岸)性格かな。
性格ってどこ?
(戸の開く音)おはよう。
(宮崎・森井)おはようございます。
(森井)ありがとうございます。
(宮崎)何ですか?ハッ。
勉強してるんです。
臨床から病理に来るのって想像以上に大変でもうとにかく覚えることがいっぱいあるんです。
私は岸先生と違って最初から病理じゃないので。
えっ?私何か変なこと言いました?いや〜勉強熱心だなあと思って。
邪魔しないでください。
あっそうだ。
そんなに勉強したいんだったら勉強会に行ってきたらいい。
えっどこの勉強会ですか?アミノ製薬が主催している病理とがんに関する勉強会がちょうど今日ある。
(森井)それって…。
今日ですか。
急ですね。
しかも今日はうまい弁当が出るぞ。
えっ?びっくりするぐらい豪華な弁当だ。
そうなんですか?あっでも今日の仕事いっぱいあるんじゃ…。
僕が全部やっとくよ。
えっホントにいいんですか?もちろんだ。
あっはい!ありがとうございます!じゃ準備します!いいんですか?勉強会。
勉強会?弁当会だろ。
知りませんよ。
ではいってまいりま〜す!うん。
お気を付けて。
(細木)おはようございます。
(春香)あっ…。
(春香・博之)おはようございます。
(綾)おはようございます。
(細木)あっ。
ちゃんとご挨拶できるね。
(春香)フフフフ…。
(博之)綾じゃあ幼稚園行こっか。
(綾)え〜?
(春香)ん〜?元気に行ってらっしゃい。
はい。
いってきます。
(春香)はい。
フフフ。
はいいってらっしゃい。
(細木)いってらっしゃい。
(博之)お願いします。
(細木)綾ちゃんでしたっけ?
(春香)あっはい。
お幾つですか?
(春香)4歳になったところです。
(細木)へ〜。
ずいぶんしっかりしてますね。
(春香)いや主人に似たのかな。
(細木)フフフ…。
何か変わりはありませんか?はい。
あの…先生検査の結果はまだですか?あっ組織検査ですね?まだ結果出てないんです。
もし検査の結果が悪かったらどうなるんでしょうか?もし腫瘍が悪性なら切除することになります。
あの…悪性ってあのつまりあの…。
(細木)がんということになります。
そうですよね。
切除する場合安田さんは悪性腺腫というたちの悪いがんですので子宮は全て摘出することになります。
えっ全部ですか?
(細木)女性にとってはとてもつらいことですよね。
あの…子供産めなくなるんですよね?もう1人欲しいんです。
私一人っ子で17のときに母が亡くなってきょうだいがいたらいいのにってすっごく思って自分の子にはきょうだいつくってあげたいってずっと思ってたんです。
安田さんまだ腫瘍が悪性だとは決まったわけではありません。
悪性でなければがんのように転移はしません。
それなら子供産めるんですよね?はい。
全ては検査の結果しだいです。
結果を待ちましょう。
はい。
(医師)《がんを取る手術になるんだけどお子さん産んでるんだよね?》
(女性)《はい。
1人》《そりゃあよかった》《だったら子宮取っちゃってもいいよね?》
(森井)宮崎先生今頃パニックなんじゃないですかね。
いくら何でもあそこに送り込むなんて岸先生も人が悪いっていうか性格がゆがんでるっていうか。
うわ〜。
これホントにタダで…。
(火箱)宮崎先生!お弁当はお席に着いてからお開けになってください。
えっ?あっはい。
すいません。
いや入れ物からしてこんな豪華なお弁当初めて見たので。
(火箱)こちら帰りのタクシーチケットです。
そんなことまでしていただけるんですか?
(火箱)はい。
それであの岸先生はどちらに?えっ病院ですけど。
えっ?えっ?来てないってこと?はい。
何で?岸先生には佐田部長を通して講演をお願いしてるんです!ほら!あっ。
(佐田)あっ…岸先生何でここにいるんですか?今日アミノ製薬の勉強会でしょ?何やってるんですか!僕は講演を引き受けるなんて言った覚えないんですけどね。
(佐田)何をいまさら!OKしたじゃないですか岸先生!名前を貸すだけだと思ってました。
そんな言い訳通用するわけないでしょ!うちの病院の評判にも関わるんだから引き受けた以上はちゃんとやってもらわなきゃ困りますよホントに!うちの優秀な病理医が行ってますから。
そういう問題じゃないでしょ!てか宮崎先生じゃ…。
岸!先生!コーヒー入りましたよ。
(佐田)ありがとう!あっつ!水!流水!流水…。
こうなったら仕方ありません。
宮崎先生講演よろしくお願いします。
えっ?いや…いやちょっと待ってください。
講演に穴をあけるわけにはいかないんです。
いやちょっと無理です。
だって他の皆さんは立派な先生ですよね?私なんか病理医になりたてでとてもじゃないけどできません。
どなたか他の人に頼んでいただけませんか?ホントにすいません。
これお返しします。
失礼します。
すいません。
うわすいません!あっ。

(バイブレーターの音)
(戸の開く音)岸先生ひどいじゃないですか!いったい何考えてるんですか?すごく大変だったんですから。
弁当そんなにまずかったのか?お弁当はめちゃくちゃおいしかったです。
卵焼き一つとっても奇麗でふわふわで。
まっ欲を言えばもうちょっと甘い方が好みだったかな〜。
いやそうじゃなくて話そらさないでください。
岸先生の代わりに講演やらされるとこだったんですから。
(森井)てことはやらずに済んだってことですか?はい。
救世主が現れましたから。
救世主?《失礼します。
すいません》《うわすいません!》
(中熊)《ザッキー》中熊教授が会場にいらっしゃってて代わりに講演をやっていただきました。
それはそれはためになるお話でした。
中熊教授がもしいなかったら…。
ちょっと岸先生聞いてますか?ハァ…ちゃんと中熊教授にお礼言っといてくださいね。
どう?ああ…。
これがどういう疾患か分かってんだろ?最も鑑別が困難な疾患だ。
LEGHか悪性腺腫か。
分かってる。
患者の安田さんは妊娠を望んでるの。

(綾)できた。
(春香)おっ。
(綾)これな〜んだ?
(春香)ん〜?卵焼き。
(綾)当たり。
(春香)やった〜。
ママの卵焼き食べたいな。
フフ…退院したらね。
(綾)は〜い。

(綾)じゃあ次これな〜んだ?・
(春香)おっまだあるの?
(春香)んっオムライス?
(綾)ブッブ〜。
ハンバーグ。
(春香)ハハごめん。
間違えちゃった。
あっそう。
あれ?ほらじゃあこのハートのは?
(綾)ハートのソース。
(春香)ああ。
ママがいつも作ってるやつ。
(医師)これ例の卵巣腫瘍なんだけど…。
(医師)おう。
あ〜こりゃ充実部があるな。
(医師)やっぱり駄目っぽい?
(医師)たぶん駄目だね。
患者にはほのめかしてあるんだけどね。
悪性かもしれないって。
(医師)じゃあ次の外来は覚悟してくるだろうからそこで告知だ。
(医師)そういうときってどれぐらい間隔空けてます?
(医師)まあ1週間ってとこが妥当じゃない?
(医師)おお。
(医師)そうだよね。
(医師)まあ状況によるけどな。
(医師)うん。
(医師)あっそう…。
お疲れ〜。
(森井)お疲れさまで〜す。
(細木)コーヒーお願い。
(森井)相変わらず人使いが荒いですね。
(細木)森井君が作ってくれるコーヒーが飲みたいんだ。
(森井)ハァ…。
だからコーヒー作ってるのはコーヒーメーカーですから。
(細木)フフ。
うん。
じゃあね。
えっ?だから分かってるってもう。
とにかく仕事中だから切るね。
じゃあね。
ありがとう。
すいません。
母なんです。
病理に移ったこと言ってなかったから「どういうこと?」ってうるさくて。
あんたのことが心配なのよ。
病理は医者じゃないと思ってるから説明するのが大変なんですよ。
ねえあんたさお母さんに似てる?いや全然似てません。
うちの母は何ていうかん〜天然であっ一度思い込んだら全然周り見えなくなるし…。
(細木)ん〜。
そっくりだって。
うん。
ちょっと…どこがですか?私の話聞いてました?あっ細木先生の患者さんまだ診断つかないんですか?そうみたいですよ。
岸先生でもそういうことあるんですね。
LEGHと悪性腺腫の見分けは岸先生でも大変なんですよ。
組織学的に類似していてその鑑別基準は病理医の間でも統一がとれてないくらいですから。
(呼び出し音)こら!キャッ!ふざけるな!お前俺の電話には出ねえくせによ。
おいででしたか。
昨日のは全部貸しだからな。
利子付けて返せよ?ったくよ〜。
珍しく岸が講演するっていうから冷やかしに行ってみればどうよ?なっ?ザッキーも災難だったよね〜。
先生のような優秀な病理医の講演が聞けて会場も大満足だったんじゃないですか?僕なんか足元にも及びませんから。
ほ〜。
何ですか?で用件は何なんだ?30代女性既婚妊娠歴あり。
既往症なし。
下腹痛を主訴に他院受診。
内診所見は子宮腫大と多量の透明な頸管粘液。
頸部悪性腺腫の疑いで当院紹介入院となり円すい切除された子宮頸部組織です。
異常があるのは明白。
問題はそれがLEGHか悪性腺腫かですが頸部の組織診の中でも鑑別が非常に難しい例です。
病理医泣かせですよ。
それで?僕はそれLEGHだと思うんです。
根拠は?根拠なんてありません。
強いて言えば腫大部位にずれがある。
悪性のわりには病変がやや高位の気がします。
それよりも何か…細胞の顔つきですかね。
分かった。
それで?先生僕の診断を…。
僕の診断を否定しろ。
だろ?否定はできない。
いやびっくりしました。
あの岸先生が誰かに相談するなんて。
(中熊)この商売やってるとまっそういうこともあるんだな。
うん…。
あのさっきの組織診ですけど中熊教授は何を根拠にLEGHだと思われたんですか?俺そんなこと言ったっけ?えっ?岸先生の診断を否定しないって。
否定はできないって言っただけで肯定もしてないよ。
えっ?どういう意味ですか?もしかしてさザッキーは2人の病理医が診断すればそれだけで診断の精度が上がると思ってる?ええまあ。
ザッキーは新人だもんな。
えっ違うんですか?あのなあれを俺が見てどう見立てたかを伝えたとする。
それを聞いた医者はどう思う?えっと…安心すると思います。
そう。
つまり判断が緩くなる。
あの人もこう言ったから大丈夫ってな。
それじゃあ駄目なんだな。
病理医はいつだって不安と闘いながら1人で責任を背負ってなきゃならない。
そう。
背筋も伸ばしたくなるよな。
病理の診断一つで人の人生が変わる。
ザッキーだって多数決で人生を決められちゃうなんて嫌だろ?だからあいつの診断を否定も肯定もできない。
それで?腫瘍は悪性じゃない。
LEGHだ。
よかった。
子宮を残せるのね。
ハァ…。
(細木)何?まだ診断は出せない。
(細木)えっ何で?どうしても引っ掛かることがあるんだ。
(細木)何?何でこんなに赤血球が少ないんだ?過多月経のせいじゃない?いやそれだけでここまで下がる理由がない。
でも腫瘍は悪性じゃないんでしょ?それだけでも早く患者に伝えてあげたい…。
その前に違う場所からの出血を疑うのが筋なんじゃないか?例えば?消化器系とか。
(細木)そっち?内視鏡の検査を頼む。
(細木)分かった。
ありがとう。
えっ?他の病気って…。
子宮以外の所から出血している可能性があります。
それで胃と大腸の内視鏡検査をします。
入院が延びるんですか?診断を確定するのに他の病気の可能性をつぶしておきたいんです。
家のこと子供のこと主人一人にやってもらってて…。
おうちのことも気掛かりだと思います。
だからこそ内視鏡をして早く正確な診断をつけましょう。
分かりました。
お願いします。
(佐田)勉強会の件はホントご迷惑をお掛けしました。
岸先生って噂どおり一筋縄ではいかない人なんですね。
あ〜まあ…はい。
何ていうかもうこだわりがあるっつうか診断バカっていうかね。
ハハハ…。
だし巻きです。
うわおいしそ〜。
あの…うちの評判落とさないでくれるよね?火箱さんねっ?ますます興味が湧きました。
病理医岸京一郎先生。
あっそう?奇特な人だな。
ハハハ…。
(火箱)んっおいしそうですね!うん。
食べてみてください。
(火箱)はい。
おいしいですよ。
(火箱)いただきます。
でも私はだし巻きより卵焼きの方が好きですけどね。
(佐田)そんなのどっちも一緒じゃない。
(宮崎・火箱)違います。
(佐田)ごめんなさい。
(男性)あれ?森井じゃない?やっぱり森井じゃん。
(男性)お〜久しぶり。
あっ…おう。
急に医学部辞めてったからさ。
ごめんごめん何も言わずに辞めちゃって。
(男性)ああ。
取りあえず元気そうでよかったよ。
また連絡くれよ。
じゃあな。
(男性)じゃあ。
あ〜。
(火箱)どうぞ。
(森井)あっありがとうございます。
(火箱)は〜い。
もしかして私岸先生に避けられちゃってますか?いやいやいや…それは火箱さんだからじゃなくて岸先生がああいう人だから。
フフフフ…。
まっ病理医としては極めて優秀な人なんだけどね。
宮崎先生は?病理に移ってどうですか?いえ私は…。
ん〜臨床も病理もどこにいても大変です。
(火箱)ふ〜ん。
私神経内科から逃げてきたようなもんなんですけど…。
でも私今は知りたいんです。
自分が病理でどこまでできるか。
自分の居場所なんて自分で決めればいいんですよ。
それは逃げるのとは違う。
僕はそう思いたいです。
あ〜。
(佐田)何か珍しいね森井君ね。
はい。
(佐田)ちょっと飲み過ぎなんじゃないの?
(火箱)何かありました?
(森井)別に何もないですよ。
森井さん。
私にできることがあったら何でも言ってくださいね。
ないです何も。
(医師)はい。
それでは検査始めますからよろしくお願いします。
(春香)はい。
お願いします。
これって…。
家族性大腸腺腫症。
(細木)消化器のドクターがねカメラを入れてくでしょ?横で見ていてすぐ分かったわ。
ポリープが200も300も。
腫大して出血してるのも幾つかあって…。
このポリープはいずれ必ずがんになる。
40歳で50%60歳でほぼ100%がんが発症する。
それで今ポリープはどういう状態?取られた中で一番状態の悪いものは中等度異形。
いわゆる前がん状態だ。
(細木)2つ3つのポリープを取ったところで無意味なのね。
他のポリープががん化するだけだ。
つまり治らない。
命を救うには大腸全摘出しかない。
よかったわがんになる前に見つかって。
最大のリスクは大腸のポリープががん化すること。
今なら大腸を手術で取り除けてベストな治療ができる。
しかも今は入院中。
このまま消化器外科に移ってもらえばすぐに…。
すぐに手術するとか言うんじゃないだろうな?するわよすぐに手術。
いいか?患者はこれから予想外の宣告をされるんだ。
こんな具合か?検査の結果あなたの子宮の腫瘍は悪性ではありませんでしたので子宮は残せます。
でも大腸に病気が見つかりました。
いずれ必ずがんになる病気です。
だからがんになる前に大腸を全て摘出します。
あなたの場合病変が肛門近くまであるので人工肛門になります。
人工肛門を右下腹部に設置してそこから体に着けた袋に排せつ物をためるようになります。
それだけであなたの生活は一変するでしょう。
あっそれとこの病気はあなただけの問題ではありません。
遺伝性の病気だからです。
あなたのお母さまも大腸がんで亡くなってらっしゃいますよね?つまり遺伝によりあなたも発症したわけです。
それとあなたには娘さんがいらっしゃいますよね?娘さんへの遺伝がご心配かと思いますが5割の確率で発症すると考えられます。
それとあなたは妊娠を望んでらっしゃいますが妊娠し出産した場合そのお子さんも5割の確率で発症すると考えられるでしょう。
ではこれから消化器外科に移ってもらいすぐに手術の予定を組みましょう。
これこんな話でいいのか?何が言いたいの?今すぐ手術すれば予見されるがんのリスクをゼロにできんのよ。
自分の専門外だと分かった途端にベルトコンベヤーに載せてはいさよならか?
(細木)大腸の疾患なんだから消化器外科で手術受ける以外ないじゃない。
あんたが100%の診断出すのと同じように私は100%の治療法を提案するわ。
僕と君を一緒にしないでくれるかな?どういう意味?臨床医が聞いてあきれんな。
予想外の宣告をされた患者にこのまま手術か。
そんな簡単な話なのかよ。
患者には時間が必要だ。
無責任なこと言わないで。
あんたの言うとおり私とあんたじゃ違う。
私は臨床医。
患者に時間を与えることだけが必ずしも正解ってわけじゃない。
自分の病気をネットで調べてどんどん不安になったり他の病院に意見を聞きに行ってる間に病状が進んだりそういう患者さん何人も見てきた。
ベルトコンベヤーに乗る方がいい結果を生むことだってある。
ううん。
その方がいい結果になることの方が多いわ。
臨床医には最善の治療法を組み立てる責任がある。
私はそれを放棄するわけにはいかない。
忘れたのかよお前。
何で女性外科の医者になったのか。
じゃあ何であんたは病理医になったのよ。
お前の話をしてんだ。
話をそらすな。
あんたは何でもかんでも自分が一番正しいもんね。
お前が医者でいるかぎり僕の言葉は絶対だ。
じゃあ聞くけどあんたがさっきから言ってることって何なの?何度も言わせんな。
患者には時間が必要だ。
笑わせないでよ。
患者に会わないのが病理の特権だとか言ってるくせに。
ああそのとおりだ。
患者に興味ないふりしてるだけでしょ?カッコつけんじゃないわよ!治療方針を決めんのが臨床医の仕事だ。
お前が決めればいい。
言われなくてもそうするわよ。
(戸の開閉音)
(森井)岸先生と細木先生あんな2人僕も初めて見ました。
でもまああの2人ですからね。
(細木)《ひどいと思います》《子供1人産んでるからって子宮取ってもいいだなんて》
(医師)《ちゃ〜んと産んでるんでしょ?》
(医師)《中にはね一人も産めない人もいるんだよ》《なのに何で取っちゃ駄目なの?》《子宮を取る手術は必要だと思います》《だけど私にはあんな言い方できません》
(医師)《だから何で?》《女だからです》おい。
何?いや。
(細木)おはようございます。
(春香)おはようございます。
安田さん検査結果をお話しします。
はい。
えっ?
(春香)えっ…。
いや何かあの…人ごとみたいで。
無理もありません。
予想外のお話になってしまいましたから。
(細木)でも今の段階で手術をすればがんになるリスクを大きく下げられます。
このまま消化器外科へ移ってすぐに手術の日程を組んでもらいましょう。
安田さん?母も同じ病気だったってことですよね?そう考えられます。
(細木)ただお母さまと違うのは安田さんはがんになる前に分かったってことです。
私綾を産んでよかったのかな?安田さん…。
(春香)綾にどう病気のこと知らせればいい…。
知ったら綾…。
私は結婚して出産してから知ったけど綾はそうはいきませんよね。
知ったら綾出産どころか結婚だってちゅうちょしてしまうかもしれないですよね。
もしかしたら人を好きになっちゃいけないって思うかもしれませんよね。
せっかく女性として生まれてきたのに。

(細木)ここまでは医者として話をしました。
ここからは安田さんと同じ1人の女性として話をします。
(細木)安田春香さん。
子宮頸部の病変はLEGHでしたが内視鏡で組織を採って家族性大腸腺腫症と診断がつきました。
(部長)じゃああとは消化器外科に回してオペだな。
いえ。
安田さんには先ほど退院していただきました。
(ざわめき)
(部長)どういうことだ?患者を放り出したってことか?
(細木)《ここからは安田さんと同じ1人の女性として話をします》《安田さん綾ちゃんママの卵焼き食べたがってましたよね?》《えっ?》《一度ご自宅に戻ってください》
(部長)君はいったい何を考えてるんだ!治療放棄だなんて許されない。
すぐに患者を戻してなかったことにしなさい!
(細木)安田さんは予想外の宣告をされて混乱しています。
その状態で手術を受けてもらうわけにはいきません。
(医師)あ〜あまたこりゃ荒れるぞ。
(医師)治療放棄だなんて絶対黙っちゃいないよ。
(医師)100%の診断が泣きますよね。
(医師)あれ?
(医師)おっ…おっおい。
以上です。

(細木)研修医のときにね子宮を全部取らなきゃいけない患者がいたの。
私の指導医の患者で。
彼が患者に言ったの。
子宮は全部取ります。
子供1人産んでるからいいよねって。
えっ?それってドクターハラスメントじゃありません?私何か悔しくて泣いちゃって。
それからかな?女性の病気を診ていきたいって思ったの。
何かあいつに痛いとこ突かれちゃったな。
《忘れたのかよお前》《何で女性外科の医者になったのか》《患者には時間が必要だ》岸先生は細木先生だから言ったんじゃないですか?あっ…中熊教授がおっしゃってました。
病理医はいつだって不安と闘いながら1人で責任を背負ってなきゃいけないって。
安田さんの疾患は鑑別が困難で岸先生の不安も責任も大きくて…。
それでも覚悟を持って1人で診断したんですよね。
だからあんな言い方になったんじゃないですか?細木先生に甘えたんだと思います。
私ちょっと細木先生のことうらやましかったですもん。
あっあのそういう意味じゃなくて。
別に岸先生に甘えられたいとかそういうのじゃない…ないんですよ。
えっ…。
あの…岸先生は何で病理医になったんですか?
(細木)自分で聞けばいいじゃない。
えっそれは…。
私も最初驚いたけどね。
臨床から病理に移るって聞いたとき。
ふ〜ん…そうなんですか。
えっ臨床から?うん。
あいつもともと臨床医よ。
(宮崎・森井)えっ!?
(細木)フフフ…。

(綾)パパの。
綾の。
ママの。
並べました〜。
(春香)はい。
ありがとうございます。
ママのご飯大好き。
(春香)ん〜フフフフ…。
ママね17歳のときからおうちのご飯は毎日作ってた。
煮付けハンバーグ炊き込みご飯。
綾が食べてるご飯はねママがママのママから教えてもらったんだよ。
このねだし巻き卵も。
コツはね卵を混ぜ過ぎないこと。
でネギの量はこれくらいね。
私やる〜。
(春香)えっホント?お〜いいね〜。
(綾)できました〜。
(春香)はい。
ありがとうございます。

(綾・春香)できた〜!
(綾)味見味見。
(春香)えっ?あっ食べた!あ〜この食いしん坊め〜!
(春香の笑い声)ごめん。
(綾)ママ?
(春香)ごめん綾。
ごめんね。
先生手術を受けたいと思います。
生きるために。
はい。
(春香)細木先生ありがとうございました。
私に考える時間を与えてくれて。
はい。
おう。
重いよ。
ホントあの子って面白いよね。
お前聞いてんのか?う〜。
重いよ。
あ〜気持ちいい。
母が来たんですけど卵焼きこんなに作っちゃって。
いくら好きでもこんなに食べられるわけないじゃないですか。
ホントに困っちゃいますよね。
お疲れ〜。
あっ。
(森井・宮崎)お疲れさまです。
岸先生も細木先生もこれうちの母が作ったんでよかったらどうぞ。
(細木)そっくりなお母さん?だから似てませんって。
(細木)頂こっかな。
どうぞ。
(森井)じゃあ僕も頂きます。
はい。
(細木)うんおいしい。
(森井)うんうまい。
ありがとうございます。
(森井)きっとこの卵焼きが宮崎先生をつくったんですね。
ハハハハ…そんな大げさな。
岸先生も。
あいつは食べないよね。
(森井)はい。
どうぞ。
食べない。
えっ?おいしいですよ。
食べない。
だまされたと思って食べてくださいよ。
絶対おいしいですから。
う〜ん…おいし〜。
絶対食べない。
パソコンやスマホタブレットでいつでもどこでもご覧いただけます
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2016/02/03(水) 22:00〜22:54
関西テレビ1
フラジャイル #04[字][デ]【長瀬智也主演!僕の診断が患者を救う!!】

最も診断が出せない病気に、天才病理医・岸が挑む!!一刻を争う時間の闘いの中、患者には変化が訪れる・・・医師として、人としても母と娘の命の選択に向き合う

詳細情報
番組内容
 岸京一郎(長瀬智也)が病理診断科に出勤すると、宮崎智尋(武井咲)が病理の本を広げて勉強中。宮崎を褒める岸は、この日行われるアミノ製薬の勉強会に出てみないかと持ちかける。仕事があると断ろうとする宮崎に、岸は豪華な弁当が出るとあおり、今日の仕事も自分が全部やると請け負った。そこまで上司に勧められれば断る道理はない。早速、宮崎は出かけることに。そんな岸を、森井久志(野村周平)は半ばあきれて見ていた。
番組内容2
 外科医の細木まどか(小雪)は患者の安田春香(中越典子)の病室にいた。子宮の検査結果を聞く春香に、細木はまだ出ていないと答える。そして、細木は悪性腫瘍の場合、子宮全摘手術が必要と説明。すると春香はもう一人子どもが生みたいと細木に訴える。
 勉強会の会場で、宮崎は火箱直美(松井玲奈)に岸は来ないのかと聞かれる。代わりに来たと言う宮崎に、火箱が焦りだす。岸は講演を頼まれていたのだ。火箱から講演の代行を
番組内容3
頼まれる宮崎だが務まるはずもなく、慌てて帰ろうとするが…。
 岸は春香の病理診断を迷っていた。そこに宮崎が怒りながら戻ってくる。実は岸の講演予定を知っていた森井が尋ねると、宮崎は会場にいた中熊薫(北大路欣也)が代行してくれたと答えた。
 春香の診断に迷う岸は、中熊に相談。中熊は岸の診断を肯定も否定もしない。それでも岸は細木に自分の診断を報告する。その報告が岸と細木の仲違いを生んでしまうことに…。
出演者
長瀬智也 
武井咲 
野村周平 
松井玲奈
 ・ 
小雪
 ・ 
津田寛治 
北大路欣也 


スタッフ
【原作】
「フラジャイル」原作・草水敏 漫画・恵 三朗(講談社「アフタヌーン」連載) 

【脚本】
橋部敦子 

【音楽】
林ゆうき 
橘麻美 

【主題歌】
TOKIO「fragile」(ジェイ・ストーム) 

【編成企画】
成河広明 
池田拓也 

【プロデュース】
小林宙 

【演出】
石川淳一 
城宝秀則 
池辺安智 

【制作】
フジテレビ 

【制作著作】
共同テレビ

ジャンル :
ドラマ – 国内ドラマ

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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