韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領の誕生日に当たる2日、最大野党「共に民主党」の金鍾仁(キム・ジョンイン)非常対策委員長が贈った祝賀のランの花を大統領府(青瓦台)が拒否。後になって受け取り、物議を醸している。共に民主党がこうした事実を公開して大統領府に対し遺憾の意を表明していたちょうどそのころ、朴大統領は国務会議(閣議に相当)で「韓国国民は、与野党が国民の前で誓約までしていた立法を突然ほごにするのを見て、本当にあきれているだろう」と、あらためて野党側を批判していた。共に民主党からは「野党にそんな対応をしていながら、法案を通過させろとばかり言っていていいのか」と反発の声が上がった。
2日の国務会議で朴大統領は、21分間にわたって原稿用紙34枚分もの発言を行い、計18本の法案の処理を野党に求めた。しかし共に民主党側からは「野党代表が贈った誕生祝いのランを拒否しながら一方では法案の処理を頼む、そんな大統領に協力する野党が世間のどこに存在するのか」という声が上がった。与党セヌリ党からも「これは大統領府がしくじったようだ」という反応が出ている。与党のある大物議員は「これまで大統領府は、『大統領の時計』一つ、祝電や弔花一つに至るまで、朴大統領の許可を受けてから贈らなければならないと言ってきた。にもかかわらず、政務首席が問い合わせもせずに(ランを受け取らないという)決定を下したのは、平素から野党に対する大統領の考えがどういうものか知っていて、気を利かせたからではないか」と語った。