【ジュネーブ、ロンドン、東京聯合ニュース】北朝鮮が「衛星」打ち上げの計画を国際機関に通告した。衛星と称して事実上の長距離弾道ミサイル発射を試みるとの観測が強まっている。
国際海事機関(IMO、本部英ロンドン)は2日(現地時間)、北朝鮮が全基哲(チョン・ギチョル)国家海事監督局長の名義で送ってきた通告文を公開した。北朝鮮は「国家宇宙開発計画に基づき地球観測衛星『光明星』の打ち上げを決定した」と通告。打ち上げ日を2月8日から25日までの間、打ち上げの時間帯を平壌時間午前7時~午後0時(日本時間同7時半~午後0時半)とした。衛星打ち上げロケット落下物の落下予想区域も具体的に記した。
また、国際電気通信連合(ITU、本部スイス・ジュネーブ)の報道官は聯合ニュースの取材に対し、「在ジュネーブ国際機関北朝鮮代表部からこの日(2日)、衛星を打ち上げるという内容の手紙を受け取った」と明らかにした。衛星は地球観測が目的の「光明星」で、4年間運用するとあったが、軌道や高度・周波数などの詳細が記されていなかったため、北朝鮮に対しさらに情報を求める計画だとした。打ち上げ時期についても全く言及されていなかったという。
ITUが新たな衛星の打ち上げ計画を登録すれば、すでに衛星を運用する加盟国は衝突などのリスクを検討し、問題がある場合は異議を申し立てることになっている。
共同通信も2日、北朝鮮がIMOに地球観測衛星「光明星」を8~25日に打ち上げると通告したと報じている。共同通信は北朝鮮の通告を事実上の長距離弾道ミサイル発射予告と見なすとともに、北西部・東倉里の「西海衛星発射場」から打ち上げられるとの見方を示した。また先ごろにも、北朝鮮のミサイル発射兆候を伝えながら、4回目核実験に対する国連安全保障理事会の制裁論議をけん制するためだと解釈した。
北朝鮮が4回目核実験に続き事実上のミサイル発射に踏み切った場合、国際社会の新たな制裁論議を招くと予想される。韓国や米国など国際社会は、北朝鮮のロケット打ち上げ強行は北朝鮮に対し弾道ミサイルや衛星、宇宙発射体実験を禁じる国連安保理決議に違反する行為だと警告してきた。
北朝鮮は2012年2月12日に衛星打ち上げロケット「銀河3号」と称して長距離弾道ミサイル「テポドン2号」改良型を発射している。ITUには事前に、地球観測衛星を打ち上げると通告した。