被爆以前の奨励館遺構か コンクリ製床面発見
広島市は1日、初の耐震補強工事を実施している世界遺産の原爆ドーム(広島市中区)で、ドーム内から被爆前の「広島県産業奨励館」の遺構とみられるコンクリート製の床面が見つかったと発表した。市は3月末までとしていた工期を延長し、遺構調査を進める。
市によると、昨年12月14日に始まった耐震補強工事で、同22日に補強用鋼材設置のための基礎工事を行った際、ドーム北側の深さ約10〜50センチの地中2カ所から、幅約1メートル、長さ約2.5メートルの床面と幅約50センチ、長さ約5メートルの床面が見つかった。
市は床を壊さないよう基礎工事の範囲や深さを再検討する。原爆で破壊された外観維持を優先するため、床の遺構は埋め戻す方針。【石川裕士】